オーバーシュートとは?新型コロナウイルス感染爆発はなぜ起こるのか

中国雑記

世界各地における新型コロナウイルスの感染拡大が止まりません。

 

日本も、このままでは感染者の爆発的な増加(感染爆発)は避けられない情勢です。

予測できない規模の感染爆発(オーバーシュート)の可能性もあります。

オーバーシュートになってしまうと、治療が必要な患者が医療を受けられない状態(医療崩壊)が起こり、多くの患者が犠牲になります。

 

今回の記事を書いたのは、最悪のルートを避けるためには個人個人が知識と意識を持つことが大事だと思ったからです。

 

新型コロナウイルスはどうやって感染拡大していくのか?

オーバーシュートはなぜ起こるのか?

医療崩壊はどういう状態で、なぜ起こるのか?

それらを避けるにはどうすればいいのか?

 

これらの内容をまとめました。

 

新型コロナウイルス“SARS-CoV-2”の感染ルート

新型コロナウイルスは、主に“飛沫感染”と“接触感染”によって人から人に感染すると考えられています。

 

  • 飛沫感染:感染者のくしゃみ、咳、唾等と一緒にウイルスが放出され、他者がそのウイルスを吸い込んで感染する
  • 接触感染:感染者がくしゃみや咳を手で押さえたあと、その手で周りものに触れることでウイルスが付着し、他者がその部分に触れることで手にウイルスが付着して感染する

 

例えば、感染者と話していて、感染者の唾と一緒に放出されたウイルスを吸い込んで感染、

感染者が咳をして机にウイルスが飛び散り、その机に触った人が食事をしたり目鼻口の粘膜を触ることで感染、

感染者がウイルスの付着した手でドアノブに触れた後、そのドアノブに触った人がその手で食事をしたりして感染、

といった経路で感染します。

 

感染してすぐに症状が出る場合もありますが、大抵は数日経ってから症状が出始めます。

 

新型コロナウイルスの潜伏期間

潜伏期間とは、ウイルスが体内に入ってから症状が出るまでの、無症状期間のことです。

新型コロナウイルスの潜伏期間は1~14日(平均は5日程)と考えられています。

 

潜伏期間が14日もあるということは、感染しても最長2週間は全く症状が出ない場合もあるということです。

つまり、症状の有無だけで自分が感染しているかどうかを知ることは不可能です。

自覚症状が全く無くても、潜伏期間中につき発症していないだけにすぎず、体内には既に新型コロナウイルスを持っている可能性があります。

 

更に、潜伏期間を過ぎても大きな症状が現れない、“無症状感染者”もいます。

 

潜伏期間中や症状が軽い人からも感染する

新型コロナウイルスは、全く症状がない潜伏期間中の感染者でも、別の人にうつす場合があります。

また、潜伏期間後も症状が出ない“無症状感染者”も人に感染させることがあります。

 

これが、新型コロナウイルスの封じ込めが難しい理由の一つです。

 

自覚症状が皆無だったり症状が軽い人は、自分が新型コロナウイルスに感染していることに気付かず歩き回ってしまい、行く先々で次の感染者を生む可能性があるからです。

 

無症状感染者や症状が軽い人ほど、感染拡大を強く助長する可能性があります。

中でも若年層は重症化する割合が比較的低く、行動力もあるため、感染拡大を助長しやすくなっています。

 

安倍総理は4月7日の記者会見で「既に自分は感染しているという意識を持ってほしい」と言っていたのも、これが理由の一つです。

体調が普段と全く同じでも、知らぬ間に体内にウイルスを匿っており、人にうつす可能性があることを覚えておきましょう。

 

“正常性バイアス”がオーバーシュートを助長する

人間は、“正常性バイアス”という特性を持っています。

この“正常性バイアス”が悪い方向に働くと、新型コロナウイルスの感染拡大を助長します。

 

正常性バイアスとは「自分に都合の悪い事実を無視、或いは過小評価する」という、全ての人間が持っている特性のことです。

正常性バイアスによる「自分は大丈夫」「まだ大丈夫」「きっと何とかなる」といった思い込みから感染対策を怠り、結果としてウイルスに感染したり、人にうつしたりといったことが起こります。

 

例えば、東京から地方に帰った後に感染が確認され、更に家族にもうつしてしまった人が報道されています。

彼らは、「自分は新型コロナウイルスに感染しているかもしれない」「他人にうつすかもしれない」という事実を認識していたのでしょうか。

恐らく「自分は大丈夫だろう」「症状がないから大丈夫」といった思い込みが多少なりともあったと思います(もちろん全員ではないでしょうが……)。

そうでなければ、この時期に帰省などという危険極まりない行為はできないはずです。

最悪の場合、自分の家族の命を奪う可能性もあります。

絶対に帰省してはいけない時に帰省してしまったのは、正常性バイアスが働き「きっと大丈夫」と思い込んでしまったからだと思われます。

 

新型コロナウイルスは、人間を巧みに利用して勢力を拡大してきています。

人から人へ感染し、感染者の集団(クラスター)を発生させます。

 

クラスター感染とは何か?

新型コロナウイルスの感染確認が増えると共に、「クラスター」という言葉をよく聞くようになりました。

クラスターとは、“感染者の集団”のことです。

 

飲食店等の施設や、ライブ等のイベントで少人数から大勢に感染が広がることで、感染者の集団が形成されます。

この感染者の集団が「クラスター」と呼ばれるものです。

 

※クラスター発生のイメージ

 

クラスターは、下記の条件に該当する場所で発生しやすいと考えられています。

 

  • 屋内の閉鎖的な空間
  • 人と人とが至近距離で話す
  • 一定時間以上一緒にいる

 

上記の条件を満たすバー、カラオケ、飲食店、ライブハウス等は、その中に1人でも感染者がいた場合、その場にいる他の人にも一気に感染が広がる可能性があります。

こうして、感染者集団(クラスター)が形成されます。

 

こうしてできた感染者の集団のメンバーが他の場所へ行くことで、次の感染者集団を発生させます。

感染者集団が次の感染者集団をつくる……

 

こうした連鎖が繰り返されることで、やがては感染の爆発的な拡大につながります。

 

オーバーシュートとは何か?

オーバーシュートとは「予測し得ないほどの感染者の爆発的な増加」のことです。

新型コロナウイルスのような感染症の特徴は、「今はそんなに多くないと感じられても、短期間でいきなり増える」ということです。

感染者の増加が顕著になって慌て始めたころには既に手遅れとなっていて、一気に感染者の爆発的な増加が起こります。

 

なぜこういったオーバーシュートが起こるのでしょうか。

 

コロナのオーバーシュートが起こる仕組み

オーバーシュートが起こるのは、感染症が誰も知らぬ間に掛け算的に拡大するからです。

知らぬ間に感染し、知らぬ間に人にうつす……

それによって、毎日一定の倍率で感染が広がり続けます。

 

ポイントは、感染症の感染拡大は“足し算”ではなく“掛け算”であるということです。

1人の感染者から2人に感染すると仮定すると、感染者は下図のように増加していきます。

 

※新型コロナウイルスの感染拡大イメージ

 

上記の通りで、倍々ゲームのように感染者が増加していくことになります。

これを「指数関数的に増加する」と言います。

 

コロナ患者は指数関数的に増加する

「指数関数的に増加する」とはつまり「一定の倍率で増え続ける」ということです。

 

ニューヨークのオーバーシュートの場合

例として、ニューヨークの場合を見てみましょう。

3月15日の総感染者数729人だったのが、17日は1374人になりました。

これは「2日ごとに約600人増える」という意味ではありません。

感染症の感染拡大は掛け算なので、“増加数”ではなく“増加率”に注目します。

 

3月15日から17日の2日間で645人増加、率にして約90%なので、「ニューヨークは2日ごとに約90%のペースで増加している」と言えます。

更に2日経てば総感染者数は1374人よりも90%増加し、約2610人に増える計算になります。

 

実際には、3月19日の総感染者数は4152人となり、2日間で約202%の増加……

予想を遥かに上回る爆発的増加となりました。

 

 

指数関数的な増加を表わすグラフは、直線ではなくカーブの軌道を描きます。

 

感染者増加率・新たな感染者数・将来の総感染者数の計算

「今どれくらいのペースで感染者が増加しているのか」は、感染者増加率を見れば分かります。

毎日の新規感染者数が話題になりますが、感染者増加率も同じくらい重要です。

 

感染者増加率:総感染者数は1日あたり何%増えるか

 

仮に感染者増加率が0.15だとすると、総感染者数は1日に15パーセントずつ増えることになります。

つまり、明日の総感染者数は今日の1.15倍、明後日は明日の1.15倍……

という感じで増えていく計算になります。

 

感染者増加率は下記の数式で表すことができます。

 

感染者増加率 = 新規の感染者数/前日の総感染者数

 

例えば、4月11日の東京都は新たに197人感染確認、総感染者数は10日の1708人から1905人となりました。

この場合の感染者増加率は197/1708=0.12となり、11日の総感染者数は10日の総感染者数から12%増加したことが分かります。

 

また、新規の感染者数は下記の数式で表わすことができます。

 

新規の感染者数 = 前日の総感染者数×感染者増加率

 

例えば、4月12日の感染者増加率も0.12(12%)と仮定すると、12日の新たな感染確認は1907×0.12=229人と予想できます。

 

仮に感染者増加率が一定だった場合、総感染者数が増えるにつれ、1日あたりの新規の感染者数も増えていきます。

 

例えば、感染者増加率が0.15(15%)だった場合を考えてみましょう。

総感染者数が800人なら、新規の感染者数は800×0.15=120人となります。

総感染者数が1500人なら新規の感染者は1500×0.15=225人となります。

 

ここまで分かると、特定の日の感染者数を計算し、そこから次の日の感染者数を予想することができるようになります。

 

次の日の総感染者数 = 当日の総感染者数+次の日の新規感染者数(次の日の予想増加率×当日の総感染者数)

 

例えば、今日の総感染者数が1500人、感染者増加率が0.15だったとすると、明日の新規感染者数は1500×0.15=225人と予想できます。

よって、明日の総感染者数は1500+225=1725人と予想できます。

ちなみに明後日の総感染者数予想は、1725+1725×0.15=約1984人となります。

 

指数関数的な拡大の特徴

指数関数的な増加の特徴は「母数が増えるたびに増加数も増える」ことです。

つまり、総感染者数の増加に比例して、新規感染者数も増えることになります。

 

その理由は、指数関数的な増加が“足し算”ではなく“掛け算”だからです。

 

例えば、総感染者数が1日に50人ずつ増える“足し算的増加”の場合と、1日に50%ずつ増える“指数関数的増加”の場合を比べてみましょう。

 

  • 足し算的増加:100人→150人(100+50)→200人(150+50)→250人(200+50)→300人(250+50)……
  • 指数関数的増加:100人→150人(100×1.5)→225人(150×1.5)→337人(225×1.5)→506人(337×1.5)……

 

上記の通りで、指数関数的な増加は、母数が増えるたびに増加幅も大きくなり、倍々ゲームのように増えているのが分かります。

 

ここから、下記のことが言えます。

感染症の感染者数は、今の表面上の数字がそれほど大きくなくても、掛け算を繰り返すことで一気に爆発的に増加します。

そのため、感染者が目に見えて急増したときには既に手遅れになっていることがほとんどです。

 

感染拡大を食い止めるには、感染がそれほど広まっていないときから対策をとっておく必要があります。

 

感染者増加率を下げるとどうなるのか?

総感染者数、新規感染者数、感染者増加率といった数字を挙げてきましたが、この中で最も大事なのは感染者増加率です。

感染者増加率が下がれば新規感染者数が減り、総感染者数も減少するからです。

 

“感染者増加率”は、1日あたり総感染者数が何%増えるか、つまり“掛け算の掛率”を表わしています。

 

例えば、総感染者数100人、感染者増加率が0.15の場合を考えてみましょう。

この場合、1日あたり感染者が15%ずつ増えていきます。

 

【感染者増加率0.15の場合】

100人 → 150人 → 225人 → 337人 → 506人……

 

それでは、感染者増加率を0.15から頑張って0.14に引き下げた場合、総感染者数はどうなるでしょうか。

 

【感染者増加率0.14の場合】

100人 → 140人 → 196人 → 274人 → 384人……

 

上記の通りで、感染者増加率の小さな違いが全体に大きく関わってきます。

 

これが分かると、早い段階における外出自粛等の対策が有効な理由も見えてきます。

外出自粛や人込みの回避によって、感染リスクを減らすことができます。

個人個人が感染リスクを減らすことで、全体の感染者増加率を下げることに繋がります。

それによって、感染者の爆発的な増加を未然に防ぐことができます。

 

早い段階での適切な対策が、数週間後、1ヶ月後に大きな違いをもたらします。

 

指数関数の前提となる仮定条件

先述の通り、新型コロナウイルスのような感染症は、一定の倍率で倍々ゲームのように増加していきます。

倍々ゲームが続くと、計算上、新型コロナウイルスはあっという間に日本国民全員に広がってしまいます。

 

しかし、実際にそうなることはありません。

指数関数的な増加は、下記の仮定条件が前提になっているからです。

 

  • 感染者増加率が常に一定であること
  • 入院や回復者がなく、一度感染した人は永遠にウイルスをばら撒き続けること

 

もちろん、実際の感染者増加率は毎日変動します。

一度感染しても、隔離されたり完全に回復することでウイルスをうつさないようにすることもできます。

 

そのため、指数関数は現実をそのまま表わしているわけではなく、計算上の結果に過ぎません。

 

指数関数は現実を現わしているわけではない

指数関数は現実をそのまま表わしているわけではなく、従って未来を100%正確に予測することもできません。

 

例えば、新型コロナウイルスは人が持っており、人の移動や接触によって感染します。

そのため、政府がロックダウンのような措置をとることで、将来感染者になる可能性のある人の数を一定以上にならないようにすることができます。

こうなると、感染拡大はロックダウンされた範囲内に留まることになり、指数関数的な増加に歯止めがかかります。

 

また、ロックダウンをしなくても、感染拡大はいつか止まります。

人口には限りがあり、感染者の増加に比例して健康な人(将来感染者になる可能性のある人)の数は自動的に減っていくからです。

健康な人の数が少なくなる程に、新規感染者数と感染者増加率は下がっていきます。

 

つまり、感染者の増加率は時間とともに低下します。

特に感染拡大の後期から、指数関数の計算が実情と合わなくなってきます。

 

例えば、東京都の人口を考慮して感染者数の推移を予想します。

東京都の人口は約1400万人(2020年1月1日時点)、これが感染者数の上限となります。

これを計算に入れると、感染者数の推移は下記のように予測できます。

  • 4月と5月は指数関数的な増加を描く
  • 6月からは感染者数を表す線が直線に近くなる
  • 6月20日を過ぎたあたりから感染者数の増加が更に緩やかになる
  • 7月10日あたりから感染者数の増加がほとんど止まる(上限に達する)

 

また、人口を計算に入れたとしても、指数関数を用いた計算には下記のような課題があります。

 

  • 検査件数が増えている影響を考慮しない
  • 検査で陽性になった数よりはるかに多くの感染者がいる

 

上記の点から、指数関数は完璧ではありません。

ただ、感染拡大の初期段階においては比較的正確に未来を計算することができます。

 

オーバーシュートが起こるとどうなるのか?

感染者の爆発的な増加が起こると、医療のキャパシティに収まらなくなり医療崩壊が起こります。

また、オーバーシュートが起こると、ロックダウン以外に封じ込める方法はないと言われています。

 

医療崩壊が起こる

医療崩壊とは、「必要な人に満足な医療提供ができなくなること」を指します。

医療スタッフや医療器具、病院のベッド等が不足し、治療が必要な患者に医療が届かなくなるということです。

 

医療崩壊は、医療のキャパシティを超えて、感染者が爆発的に増加することによって起こります。

医療崩壊が起こると、治療が必要な患者にすら手が回らなくなり、死者が爆発的に増加する可能性があります。

また、患者の受け入れが困難になり、入院できない患者が野放しになる → 次の患者を生み出す → 更に医療を圧迫する という悪循環に陥る可能性もあります。

 

新型コロナウイルスに感染してから入院するまでの流れ

東京都における、新型コロナウイルスの感染から入院までの流れは下記の通りです。

 

  1. 心配な症状が現れたら保健所に相談する
  2. 保健所が検査してくれる病院を探す
  3. 院内感染対策のため、事前に受診時間を調整する
  4. 医師が診て、新型コロナウイルスの検査をすべきかどうか評価する
  5. 検査を行う
  6. 疑いがある人の検体を保健所が取りまとめ、東京都健康安全研究センターへ運んで検査してもらう(結果が出るまで2、3日かかる)
  7. 医療が必要な陽性者が見つかったら、保健所が引き受け可能な病院を探す
  8. 患者を自宅から病院へ移送する
  9. 保健所が勧告入院の手続きや公費負担の申請をする
  10. 陽性患者の感染源の調査、濃厚接触者の特定等の“積極的疫学調査”を保健所が行う
  11. 入院、闘病生活

参考:新型コロナ対策の隠れた最前線 保健所の悲鳴を聞いて

 

上記の通りで、新型コロナウイルスへの対応には多くの段階があり、それに伴って多くのマンパワーも必要となっています。

 

今、感染拡大地域の医療は病床不足とともに、人手不足も深刻になっています。

軽症者をホテルへ移せたとしても、それを診る医療スタッフの数には限界があります。

 

また、陽性患者が増えるほどに濃厚接触者も増えていきます。

濃厚接触者が増えれば、検査数が増え、陽性者数が増え、入院者数が増え、更に病床と医療スタッフの人員を圧迫するという悪循環に嵌ります。

 

濃厚接触者調査の負担もどんどん重くなっていくでしょう。

しかし、濃厚接触者を野放しにしてしまえば、そこから更に次の感染者を生み出す可能性もあり、非常に難しい状況です。

 

少しずつ感染者が増えるのであれば持ちこらえられるかもしれません。

危険なのは感染者が一気に増えたときです。

一気に大量の陽性患者が出ることで病床数や医療スタッフの人数が足りなくなり、医療体制が一時的に崩壊する可能性があります。

 

医療崩壊を避けるには、感染者の急な増加を避ける、つまりは増加率を減らすことが重要です。

 

新型コロナウイルスによる肺炎は入院期間が長い

新型コロナウイルスによる肺炎は入院期間が長く、医療を圧迫する原因となっています。

入院が長引く理由は下記の通りです。

 

  • 症状が続く期間が異常に長い(2~3週間)
  • コロナウイルスは3~4週間体内に残り続ける

 

中には、一度陰性になったのに再び陽性になるケースもあるようです。

 

新型コロナウイルスの患者は、一旦入院したら、PCR検査で2度陰性になるまで基本的に退院できないようになっています。

そのため、入院期間は大体3週間程になるようです。

 

結果として病院のベッドが空きにくく、陽性者が増えると、あっという間にベッドが足りなくなる可能性があります。

 

検査数を増やすとどうなるか?

日本は海外と比較して検査実施数が少なく、「検査数を増やすべき」という意見をよく聞きます。

確かに一理あるかもしれませんが、そう簡単に検査数を増やせるわけではなさそうです。

 

まず、検査機関のキャパシティの問題があります。

また、検査数を増やした結果陽性者が続出したとしても、医療がそれに対応できない可能性があります。

 

検査で陽性となった人は、重症・軽症に関わらず全員入院しなければいけません。

軽症者や無症状者も、例外なく入院することになります。

先述の通り、一旦入院したら基本的にはPCR検査で2度陰性になるまで退院できません。

 

軽症者や無症状者でも、ウイルスが消えて退院するまでの間は、ベッドや医療スタッフのキャパシティを圧迫することになります。

 

3月1日~4月9日の期間中、東京都における検査陽性率は上昇し続けています。

 

 

この状況で検査数を増やせば陽性者数も増え、彼らが入院することによって医療崩壊を助長する可能性もあります。

増やした検査が逆に仇となる可能性もあるのです。

 

ロックダウン(都市封鎖)が行われる

オーバーシュートを未然に防ぐ、或いはオーバーシュートを食い止めるために、国によってはロックダウンが行われます。

 

ロックダウンとは、数週間に渡る移動制限、外出禁止、店舗閉鎖、企業の営業活動停止等によって、人と人との接触機会を強制的に減らすことです。

オーバーシュートが起こると、それに対処できる政治的な措置はロックダウン以外にないと言われています。

 

ただ、法的に“ロックダウン”という言葉があるわけではありません。

移動制限がどの程度できるか等は法律によって違うため、ロックダウンができるかどうかは各国の法律によって決まります。

 

日本の場合は、ロックダウンが法的にできないようになっています。

»参考:東京ロックダウンはあるか?緊急事態宣言でどう変わる?調べてみた

 

オーバーシュートを防ぐためにできること

日本の場合はロックダウンができないため、オーバーシュートが起こると非常に厳しい状況になります。

犠牲者を少しでも減らすには、オーバーシュートをできる限り避けるしかありません。

 

オーバーシュートを防ぐには、個人個人が感染リスクを下げる必要があります。

 

コロナに感染するリスクを下げる

ウイルスは人が持っていて、人が運び、他の人にうつします。

人と人の接触機会が多ければ多いほど、感染のリスクも高まります。

 

感染をリスクを下げるには、不要不急の外出自粛や、密閉・密集・密接の所謂“3密”の回避によって、人との接触機会を減らす必要があります。

やむを得ず外出する場合も、他人とはできるだけ物理的な距離をとることが重要です。

 

このように他人と距離をとることは、「ソーシャル・ディスタンシング」と呼ばれます。

 

ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離)が効果的

ソーシャル・ディスタンシングとは「社会的距離」という意味で、人との距離をとることを指します。

下記のようなことがソーシャル・ディスタンシングにあたります。

 

  • 自宅に留まる
  • 人込みを徹底的に避ける
  • 人がいる場所ではお互いに手を伸ばしたら届くくらいの距離を取る

 

日本でも、4月7日の緊急事態宣言後、待ち行列で買い物客に距離をとらせるようにしているスーパーや店舗が出てきています。

これはとても良いことだと思います。

 

ただ、飛沫は約2~3メートル飛ぶ場合もあるため、距離をあけたから大丈夫というわけではありません。

 

一番は自宅に留まり、家族以外の誰とも会わないようにすること、または会う機会を減らすことです。

先述の通り、新型コロナウイルスは人と人の接触機会に乗じて感染します。

人と接触する機会を減らすことは感染の機会を減らすこととほぼ同義であり、感染拡大のリスクを下げることに繋がります。

 

うがいと手洗いを徹底する

ソーシャル・ディスタンシングとともに有効なのが、うがいと手洗いです。

うがいと手洗いをしっかりすることが、感染リスクを下げる基本となります。

 

いくら人との距離をとっても、ウイルスから完全に逃れるのは難しいのが現実です。

お店のドアノブや商品のパッケージにウイルスが付着している可能性もあります。

 

そのため、うがいと手洗い、特に手洗いを徹底することが極めて重要です。

 

医療崩壊を避けるには?

医療崩壊を避けるには、感染者の爆発的な増加を遅らせる必要があります。

感染者の増加を遅らせることで、感染者の最大数が医療のキャパシティを超えない(医療のキャパシティに収まる範囲で食い止める)ようにすることができます。

 

例えば、感染者増加率0.12(1日あたり12%増加する)の場合と、増加率0.08(1日あたり8%増加する)場合を比較してみましょう。

 

 

感染者増加率0.08の場合(赤)は、増加率0.12の場合(青)と比較して感染者の増加がゆっくりなのが分かります。

感染者の増加を遅らせれば、それだけ感染者増加のピークも低くなります。

 

 

このように感染者増加のピークが低くなれば、それだけ医療崩壊の恐れも低くなります。

仮に医療のキャパシティが上図縦軸の300000のラインだった場合、増加率0.12だと確実に医療のキャパを超えますが、増加率0.08ならギリギリで超えません。

 

感染者の増加を遅らせることで、治療法の確率まで、或いは現在の患者が退院して医療のキャパシティに空きができるまで時間を稼ぐこともできます。

 

感染者の増加率が高いと増加のスピードも早く、たくさんの人が一気に感染します。

一部の感染者は重症化して集中治療を必要としますが、その感染者のための病床が足りなくなる可能性があります。

そうなると医療崩壊、致死率の増加につながります。

 

感染者の増加率が低ければ、それだけピークが低くなり、時期的にも遅くなります。

感染拡大が続く期間は長くなるものの、医療崩壊を防げる可能性は多少は高くなります。

 

医療崩壊を避けるには感染者の増加率を下げる必要があり、感染者の増加率を下げるには個人個人が感染リスクを少しでも下げる必要があります。

そうすることで、1つでも多くの命を救える希望が出てきます。

 

厚生労働省や各都道府県は、新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めるために情報を発信し続けています。

行政からの情報を確認しつつ、個人個人が行政と協力することが必要です。

 

国や自治体だけでは新型コロナウイルスを食い止めることはできません。

個人個人が新型コロナウイルス感染症の問題を自分事だと思って、危機感を持って対応することが重要だと思います。

 

»厚生労働省:新型コロナウイルス感染症について

»東京都:都内の最新感染動向

»大阪府:緊急特設トップページ

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