2019年のゴールデンウィークを利用して中国・重慶へ行ってきました。重慶は北京、上海、天津と並ぶ直轄市でありながら、日本人が行く観光地としての認知度はまだまだ低いような気がします。が、今回実際に重慶へ行ってみて、重慶は北京や天津に勝るとも劣らないくらい良いところでしたし、旅行を満喫することができました。
重慶旅行は個人的にかなりおすすめなので、この記事でご紹介したいと思います。
「重慶ってどんなところ?重慶にはどんな観光スポットがあるの?重慶のおすすめの観光ルートを知りたい!」こんな疑問に私の視点からお答えできればと思います。
重慶ってどんなところ?
“重慶”という名前は聞いたことがあっても、中国のどこにあるかとか、どんなところなのかは意外と知られていないかもしれません。
重慶の場所
重慶は長江の流域にあって、北方か南方かで言ったら南方寄り、内陸に位置しています。重慶の西には、パンダで有名な四川省が隣接しています。
フライト時間は東京(成田)からだと直行便で5時間ちょっと、大阪関西国際空港からでも4時間半以上かかります。
重慶市は北京、上海、天津と並び、中国に4つある直轄市の一つです。面積は直轄市の中でも最大で、一つの市でありながら北海道よりも広大な面積を有しています。中国は国土そのものが大きいということもありますが、それにしても驚きの広さですね。
重慶の気候
重慶は非常に暑いところとして有名です。
年平均気温は16~18℃、一年の中で最も暑い月の平均気温は26~29℃にもなります。参考までに、1981年~2010年の30年間における沖縄県の最も暑い月(7月)の平均気温は28.9℃だそうです(気象庁ホームページを参照)。沖縄県は暑いところというイメージがありますが、重慶も暑いときには沖縄に匹敵するほどの暑さになります。
中国では、重慶と同じく暑いことで有名な武漢、南京を「中国三大ボイラー」、或いはそこに長沙を加えて「中国四大ボイラー」と呼ばれています。
幸運にも、今回私が重慶に行ったときはそんなに暑くなくて、昼間の一番暑い時間帯でも25℃ぐらいでした。が、ずっと雨や曇りの天気が続いていて気温は低めだったことを考えると、普段はもっと暑くなることは間違いないと思います。実際、私が重慶へ行く日の前日は快晴で、気温は35℃だったそうです。
私が行ったときは、重慶の人から「丁度涼しくなったときに来られてラッキーだったね」みたいなことを言われました。重慶は基本的に暑いところなので、重慶に行くなら暑さ対策になるもの(帽子、汗拭きタオル、扇子など)を持っていくといいかもしれません。
重慶旅行の概要
今回の重慶旅行は2019年4月末、ゴールデンウィークを利用しました。3泊4日で、観光という意味では重慶を満喫することができたと思います。
重慶の観光地は都市部に集中している
重慶の観光地はだいたい中心の都市部に集中しています。都市部というのは下記の地域のことです。
- 渝中区
- 九竜坡区
- 大渡口区
- 南岸区
- 江北区
- 沙坪壩区
上記の6つの地域に主な観光地がだいたい集まっています。自然を見たいのであればもうちょっと遠い郊外に行くことになりますが、そうでなければだいたい上記の6つの地域、或いはそれに隣接する地域になります。そのため、重慶滞在中の寝泊りは、できるだけ上記の6つの地域、或いはそれに隣接する場所から選ぶといいと思います。
私は都市部に属する九竜坡区の楊家平に寝泊りしましたが、今回の旅行で行ったスポットは、いずれも楊家平から片道1時間半以内で行くことができました。片道1時間半は遠く感じるかもしれませんが、重慶(及び中国の大都市)ではまあまあ普通なんじゃないかと思います。
重慶の観光スポット4選
私が実際に行った観光地の中から、特におすすめのスポットをご紹介します。
- 融汇温泉(温泉レジャー施設)
- 新光天地(大型デパート)
- 解放碑(重慶最大の繁華街)
- 洪崖洞(重慶を代表する観光地)
1.融汇温泉
まずは「融汇温泉 / rónghuì wēnquán」です。実際に行くまでは、中国で温泉に入るなんてあまりイメージできませんでしたが、行ってみるとかなり楽しめました。重慶へ行くなら「融汇温泉」はおすすめです。
融汇温泉は温泉レジャー施設
融汇温泉は温泉レジャー施設です。施設内では水着着用です。温泉レジャー施設というとウォータースライダーなどの遊具をイメージするかもしれませんが、融汇温泉には大掛かりな遊具はありません。
イメージは“広い露天風呂”です。
この写真の扉の奥に温泉があります。カメラは更衣室に置いていったので温泉の中の写真は撮っていません。
融汇温泉にはいろんな種類の湯船があります。漢方薬を溶かしたものからレモン、ミントなどの香りや色をつけたもの、果ては唐辛子風呂までバラエティに富んでいます。もちろん本当に唐辛子が入っているわけではなく、温泉のお湯に唐辛子の色と香りをつけたもの。
施設の中には無料の給水所も至る所にあって、温泉で汗をかいて喉が渇いたときはいつでもお茶や水を飲むことができます。食事ができるところもあります。
重慶の名物「酸辣粉」がありました。酸辣粉の麺は小麦粉ではなく“さつまいもの粉で作った麺”です。見ての通り結構辛いです。辛いものが好きな方にはおすすめです。
いろんな種類の温泉を楽しんだ後は、専用の休憩所で一息つくことができます。ゆったりしたイスとソファーがあってかなり快適です。カウンターではフルーツを販売している他、無料のドリンクも提供しています。
温泉を楽しんだ後はこの休憩所でフルーツを食べながら休憩するのが融汇温泉の定番の楽しみ方のようです。
融汇温泉は大満足です
融汇温泉は個人的には大満足で、行ってよかったと思います。融汇温泉のよかったポイントをまとめてみました。
- 温泉の種類が多い
- 施設の中は植物が豊富で落ち着く
- 水やお茶を飲める給水所が至る所に設置されている
- 更衣室や湯船などの設備が全体的に清潔
こんなところです。
珍しい湯船(唐辛子、レモン、ミントなど)もありましたが、どれも程よく強すぎない香りと色がついていて結構快適でした。施設の中は植物が多く、湯船を囲む緑も癒しポイントです。
温泉の温度は湯船によって違いましたが、大体38℃~41℃ぐらいです。日本の温泉よりもぬるいかもしれませんが、個人的にはちょうど良かったです。いろんな種類の湯船に少しずつ浸かって回ることを考えると、程よくぬるい湯温は、のぼせる心配がなくて理想的だと思いました。
温泉となると、衛生面も気になるところですよね。私も実際に行くまでは着替え場や湯船の清潔さが気になっていましたが、衛生面は思っていた以上に綺麗で清潔でした。サービスも良く、更衣室にはスタッフが一名常駐していて、利用者が困ってると積極的に声をかけてくれます。こっちから質問しても親切に対応してくれます。
融汇温泉は半日以上かけてゆっくり遊ぶのがおすすめ
私の滞在時間は、融汇温泉の施設に入ってから起算して4時間弱ぐらいです。4時間の中で、いろんな湯船を一通り回って、休憩して、中の屋台みたいなところで食事もすることができました。いろんな湯船に浸かって回るので2時間半、休憩が30分ちょっと、食事が30分ちょっとです。
が、私は全ての湯船を体験したわけではありませんし、ゆっくり満喫しようと思ったら4時間で足りるかどうかはわかりません。折角温泉へ行くのですから、半日から一日くらいかけて温泉をゆっくり満喫するのがいいんじゃないかと思いました。
- 住所:沙坪坝汇泉路6号梨树湾
- 営業時間:月~木、日 10:00~23:59(最終受付23:00)
金、土 00:00~23:59(最終受付23:00) - 入場料:169~278元
- アクセス:バス停「融汇温泉中心」からすぐ
- ホームページ:http://www.cnrhwq.com/
2.新光天地
台湾・日本系のデパート「新光天地 / xīn guāng tiān dì」です。特に観光地というわけでもない普通の大型商業施設ですが、雑貨屋やスーパーを見るのが好きなので普通に楽しめました。ショッピングが好きな方なら楽しめると思います。
今回重慶を案内してくれた人がここに勤めているので、連れて行ってもらいました。
新光天地は日本・台湾系の大型デパート
新光天地は地下1階、地上8階、合計9階もある大規模な商業施設です。衣類やアクセサリーなどのアパレルはもちろん、化粧品、書店なども入っています。
地下1階のスーパーでは食料品や飲み物を売っています。新光天地が台湾・日本系のデパートということで、スーパーで売られている商品も台湾や日本のものが多いのですが、品数が多くて日本にないような商品もたくさん売っているので、見ているだけでも楽しめました。
新光天地はショッピングが楽しめる
新光天地は結構楽しめました。個人的によかったところは下記の3点です。
- スーパーの商品が買いたくなるようなものばかりで、見ているだけでも楽しめる
- 軽食や飲み物が美味しい
- 全体的に綺麗で清潔
普通のデパートと言えばそうかもしれませんが、それでも普通に楽しい時間を過ごせました。
スーパーは重慶の名物はもちろんのこと、台湾のお菓子などを買うこともできます。重慶のものと台湾のものを同時に買えるところはなかなかないと思います。店内の雰囲気や陳列棚も綺麗で、落ち着いて買い物しやすい雰囲気でした。日本の家族や友人へのお土産を買うのにもいいところだと思います。
そしてタピオカミルクティーを売っている「The KOI」。日本にも出店していますが、2019年5月時点では東京、広島、沖縄などにある数店舗のみ。「The KOI」のタピオカミルクティーは甘さ控えめで、飲み心地がさっぱりしていて飲みやすかったです。新光天地の地下一階にあります。
日本系のデパートだからなのか、たこ焼きの屋台も出ていました。たこ焼きは中国語で「章鱼小丸子 / zhāngyú xiǎowánzi」或いは「章鱼烧 / zhāngyú shāo」と言います。
日本のたこ焼きとは違って、ソースの他にトマトケチャップがかかってます。結構甘くて、日本のたこ焼きと同じものだと思ってると裏切られるかもしれません。たこ焼きではなくたこが入った軽食として考えると普通に美味しいです。
新光天地の一階、屋外にある「村外有星光 / cūnwài yǒu xīngguāng」という飲食店(小吃店 / xiǎochī diàn)。チェーン店ですが、環境も味も素晴らしかったのでめちゃくちゃおすすめです。新光天地の「村外有星光」は屋外に木のテーブルとイスがあって開放的な雰囲気でした。
「酸汤抄手 / suān tāng chāo shǒu」。ワンタンみたいな感じですが、それ以外にも具がいろいろ入ってます。味は“酸っぱい”と“辛い”がミックスしたような感じで食べやすく、辛さに強くない私でも食べられました。
めちゃくちゃ美味しくてクセになります。中国で小腹が空いたときに「村外有星光」の店舗を見かけたら是非食べてみてください。おすすめです。
新光天地はこんな感じで、普通の大型デパートではあるものの十二分に楽しむことができました。中国のデパートと日本のデパートでは取り扱っている商品や内装、雰囲気が全く違うので、普通のデパートでもそれなりに新鮮楽しめたのかも知れません。
日本人にとっては、デパートの中を歩いたり商品を見たりするだけでも異国の雰囲気を体感できます。重慶旅行の日程に余裕があるのであれば現地のデパートに行ってみるのもおもしろいと思いました。
- 住所:重慶市渝北区竜渓街道嘉州路99号
- 営業時間:月~日 10:00~22:00
- アクセス:モノレール3号線「嘉州路」駅直結
- ホームページ:https://www.shinkong-place.com/about_shop?shop_id=4
3.解放碑
夜は「解放碑 / jiě fàng bēi」へ行きました。
「解放碑」は重慶を代表する繁華街
解放碑は繁華街地区の名前です。GUCCIなどのブランド店やデパート、カラオケ、飲食店が立ち並び、重慶最大の繁華街になっています。
「解放碑」エリアの歩行者天国の中心にある時計台「解放碑」。地名の由来にもなっています。
夜も多くの人で賑わっています。
大都市・重慶を体感できました
解放碑は重慶最大の繁華街だけあってとにかく華やかです。夜になると解放碑のエリア全体がライトアップされ、人も多くていかにも繁華街に来た感じがします。解放碑には様々なブランドショップや大型デパートが並んでいるので、ショッピングをしたいなら十二分に楽しめると思います。レストランやファストフードもあります。
そして、解放碑の歩行者天国をずっと歩いて「洪崖洞 / hóng yá dòng」へ行くことができます。私が今回解放碑へ行ったのも、洪崖洞へ行くためです。解放碑は賑やかで、夜はライトアップもあり、自然と気分が盛り上がります。洪崖洞へ行くなら、解放碑を通って行くルートはおすすめです。
解放碑のアクセス
4.洪崖洞
最後にご紹介するのは「洪崖洞 / hóng yá dòng」です。
映画の世界のような洪崖洞、中は商業施設です
重慶見物の王道である「洪崖洞」。映画「千と千尋の神隠し」の油屋っぽいということも話題になりました。
洪崖洞の全体を撮った写真をご覧いただくとお分かりいただけると思います。この写真はちょっとぶれてしまっていますが、雰囲気は確かに「千と千尋の神隠し」の世界に似ていませんか?
私が洪崖洞へ行ったのは今回が3回目です。上の写真は2015年8月に初めて行ったときに撮ったものです。2015年当時は人が少なくて快適でしたが、2018年に再び洪崖洞へ行ったときは人が多すぎて中へ入れず、結局洪崖洞見物を断念しました。2019年(今回)は前年のリベンジということで改めて洪崖洞へ行ってみましたが、今回は運良く中へ入ることができました。
「洪崖洞」はそれ全体が斜面に沿って建てられています。下には道路が走っていて、上りきったところにもまた他の道路が走っています。むしろ「解放牌」から歩いて行くと、先に「洪崖洞」の頂上に到着します。「洪崖洞」の頂上からは長江を挟んだ対岸のネオンを一望することができます。
洪崖洞の中は巨大な商業施設です。頂上からエレベーター或いは階段で一階へ降りると、レトロな雰囲気の商店が通路の両側にびっしり並んでいます。
食べ物(小吃)を売っている店もたくさんあります。串肉やアイスクリームを買って、食べながらのんびり散策するのもいいですね。私は洪崖洞の一階で串肉(5本/10元)を買いました。その場で焼いてくれるので焼き立てで熱いのをいただくことができます。柔らかい肉で美味しいですよ。
道の両脇には商店がずらっと並んでいますが、ちょっと見上げるとレトロな夜景が広がっています。基本的には屋外なので天井がなく、開放的な雰囲気です。
一階だけでなく、二階も同じように屋外の通路があって、両側には商店がびっしり並んでいます。
ちょっと離れたところから見ると「千と千尋」感が分かりやすいです。周りの近代的な高層ビルとレトロチックな洪崖洞はミスマッチな気がしなくもないですが、私は逆にいいと思いました。
洪崖洞は日が暮れてから行くのがおすすめ
洪崖洞のよかったところをまとめてみました。
- 洪崖洞からの夜景が美しい
- 洪崖洞自身の夜景も綺麗
- 散歩や食べ歩きを楽しめる
洪崖洞の魅力は夜景の美しさと非日常感に尽きると思います。実際に行ってみると想像以上に異世界で、重慶という大都市で、洪崖洞だけが全く別の世界みたいな印象を受けます。重慶へ行くなら洪崖洞は外せないんじゃないかと個人的には思います。洪崖洞の夜景を見るために、洪崖洞へは日が暮れてから行くのがおすすめです。
ただ、時間があまりにも遅いと人混みで中に入れない可能性がありますし、帰りの終電に間に合わなくなる可能性もあります。薄暗くなってくるぐらいの時間帯は前述の解放碑へ行ってショッピングや食事を楽しんで、日が暮れて洪崖洞がライトアップされるような時間帯になったら洪崖洞まで歩いて行くというのもいいと思います。解放碑から洪崖洞までは徒歩10分ぐらいで行くことができます。
- 住所:重慶市渝中区嘉陵江濱江路88号
- 営業時間:月~日 終日(商店は店舗によって違いあり)
- 入場料:無料
- アクセス:地下鉄1号線と6号線「小什字」駅から徒歩5分
地下鉄2号線「较场口」駅から徒歩10分
今回の記事は以上となります。重慶はとても魅力的なところなので、機会があれば是非行ってみてくださいね。
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