今回は、台湾華語の資格「TOCFL」の最高難易度である「Band C」を記事にします。
「TOCFL Band Cを受けてみたい!」
「Band Cがどれくらい難しいのかを知りたい」
という方に向けて書いています。
「TOCFLを受けたいけど、Band BとBand Cのどっちを受けようか考え中」
という方は、私がBand Bの模擬試験を受けてみた記事も合わせてご覧いただくといいかと思います。
TOCFL Band Cのレベルと難易度
TOCFLはBand A、Band B、BandCの3つのBandに分かれていて、アルファベットが進むごとに難易度も高くなります。
Band CはTOCFLのBandの中で、一番難易度の高いBandです。
難易度 |
Band |
低 ↓高 |
Band A |
Band B |
|
Band C |
TOCFL日本事務局によると、Band Cに求められる語学力は下記の通りです。
抽象的或いは複雑なテーマ、構成や関連性がはっきりしていない話でも理解できる。しかし、読者の発音がはっきりしていない時は、細部確認をする必要があるかもしれない。
引用:TOCFL日本事務局
Band Cを受けるのに求められる語学力は「話者の発音がはっきりしていない場合を除き、どんな話も理解できる」レベルだと言えそうです。
対話の内容が「専門的な討論」だったり「抽象的で難しい内容」だったりしても理解できるということですね。また、構成がはっきりしないような話も理解できないといけません。
発音のくだりは「話者が小さい声でもごもご言ってたり、発音が不明瞭だったら聞きなおしてもいいよ」ということですね。
これは日本人と日本語で話しているときも同じですね。相手の発音が不明瞭だったら、例え日本語だったとしても聞き取れない場合があります。
つまるところ、TOCFL Band Cのレベルは「どんな話も理解できる」レベルだと言っていいと思います。
それでは、Band Cの判定レベルはどうなっているのでしょうか?
Band Cの判定レベル(流利級と精通級)
Band Cは試験の成績によって更に2つのレベルに分かれます。
「流利級」と「精通級」です。
Band Cの判定レベルはこのようになっています。
引用:TOCFL日本事務局
聴解問題(リスニング)と読解問題、それぞれ80点満点です。
Band Cの試験の結果、
聴解問題は50点以上で流利級、61点以上で精通級になり、
読解問題は52点以上で流利級、69点以上で精通級になります。
HSKや中国語検定に照らし合わせると?
TOCFLのBand Cの難易度やレベルをイメージしやすくするために、HSKや中国語検定と照らし合わせてみましょう。
TOCFLのBand Cの難易度は、HSK6級、中国語検定準1級以上の難易度であるとされています。
TOCFLとHSKと中国語検定の難易度の詳細は以下の記事にまとめてあります。
TOCFL Band Cの模擬試験を受けてみた
今回は簡体字学習者の私がTOCFL Band Cの模擬試験を受けてみました。
以前Band Bの模擬試験を受けたときと同じく、今回も国家華語測験推動工作委員会が提供している模擬試験を利用しました。
パソコンで無料の模擬試験を受けることができるのでかなり便利です。
私の中国語学習経験とレベル
今回Band Cの模擬試験を受けた私の中国語学習暦とレベルは、
・2012年4月末から中国語を始める(2019年3月時点で7年弱) ・中国語検定準1級 ・HSK6級 ・繁体字の学習経験はなし ・先日のTOCFL Band Bの模擬試験は聴解、読解共に80点 |
こんなところです。
中国語検定準1級、HSK6級は持っていますが、TOCFL Band Cの難易度はそれらよりも高いとされています。
Band Cの模擬試験の結果
Band Cの模擬試験の結果は、聴解問題が63点、読解問題が76点で、どちらも精通級になりました。
聴解問題はギリギリ精通級に入りました(50点以上、61点以下だと流利級になります)。
聴解問題、読解問題ともに精通級になりましたが、この結果は正直予想してませんでした。本当に幸運だったと思います。
というのも、TOCFLのBand Cの難易度はそれだけ高かったからです。
模擬試験をやってるときは不合格を覚悟してました。
TOCFL Band Cの難しいところ
全体的に苦戦しましたが、特に力不足を実感したのはリスニングのパートです。
リスニングは速い、長い、専門性が強い
リスニングはとにかく難しかったですね。
何が難しかったかというと、
問題文が読まれるスピードがとにかく速い/問題文が長い/四字熟語も多い/専門的な話題の問題文も多い/専門用語が大量に出てくる |
ということです。
特に、四字熟語や専門用語が頻繁に出てきます。
TOCFL Band Cのリスニングはマークシート方式になっていますが、選択肢が全て四字熟語で、問題文以前にどんな選択肢があるのかも分からなかった問題もありました。
専門的な話題も多かったです。生物、医療、科学などの話題ですね。
専門用語もバンバン出てくるのですが、そのほとんどはこれまで一度も聞いたことがないような専門用語ばかりでした。
そういう問題はお手上げですね。専門用語のことは考えず、自分で聞き取れた範囲で解答するしかありません。
総じて、リスニングの模擬問題を解いてる最中は 完全に終わった と思ってました。
問題文の内容をちゃんと理解できたのは、全部で15個の問題文のうち半分の8個くらいだったんじゃないかと思います。
残りの7個くらいの問題文は内容をほとんど理解できませんでした。問題文の内容が専門的で、専門用語を理解できなかったからだと思います。
リスニングで63点取ったのはよかったのですが、もう一度Band Cに挑戦して同じくらいの得点が取れるかというと厳しいような気がします。
Band Cを受けるなら、リスニングは対策必須だと感じました。
特に、四字熟語や専門用語、専門的な討論もできる限り聞き取れるようになっておきたいと思いました。
読解は時間との戦い
読解問題は時間との戦いだと思いました。
読解問題の難易度自体は、問題文はしっかり読めば内容を理解できるレベルですし、問題文の内容を把握できれば正解を導き出せると思います。
ひっかけ問題みたいな問題もなかったかなと思います。
ただ、問題の数が多いことと、一つひとつの問題文がそれなりに長いので、解答するのに時間がかかりました。
最後の問題を解き終わった時点で、残り時間は5分を切ってました。
TOCFL Band Cの模擬試験を受けて思ったこと
TOCFL Band Cの模擬試験を受けて思ったのは、Band Cは総じてHSK6級と同程度か、それ以上に難しい ということです。
特に聴解問題のところは専門的な話題が多く、専門用語や四字熟語を知ってないとついていけないような内容の話が多いと思いました。
読解はまあまあという感じでしたが、繁体字を読むのに慣れてないとやっぱり苦労はしますね。
今回は聴解問題が63点、読解問題が76点ということでしたが、自信を持って解答できたのは全体の半分くらいだと思います。
TOCFL Band Cの勉強法
TOCFLの本試験を受けようと思っていますが、今のままだと相当厳しそうな感じがします。
ただ、今回の模擬試験を通して、TOCFL Band Cのポイントは掴めたと思います。今後軌道修正していくかもしれませんが…
TOCFL Band Cのポイントは、
・専門的な話題についていけるようになる ・四字熟語のボキャブラリーを強化する ・繁体字を読むのに慣れる |
ということで、この3点を徹底的に強化していくのが有効だと思います。
過去問を繰り返し解く【聴解/語彙力の強化】
具体的な勉強法ですが、まずはTOCFL Band Cの模擬試験を丸暗記するくらいまで繰り返し解いてみようと思います。
「過去問や模擬試験を繰り返し解く」という方法でHSK6級や中国語検定準1級を取得してきたのですが、それと同じアプローチが通用するかどうか、ですね。
今のところは、模擬問題を繰り返し解くのが有効なんじゃないかと予測しています。
国家華語測験推動工作委員会の公式サイトで、TOCFLの各Bandの模擬問題をダウンロードできます。
聴力問題と読解問題をそれぞれ3回分ダウンロードすることができます。
この3回の模擬問題を有効活用したいと思います。
ダウンロードした3回分を、「勉強用」2回分と「力試し用」1回分に分けます。 ・「勉強用」の2回分を丸暗記するくらいまで繰り返し解いて、この2回分を徹底的にやり終わったら、 ・「力試し用」を実際の試験と同じ形式でやってみて、その成果を見たいと思います。 |
「勉強用」の2回分の模擬問題を徹底的にやってみて、どれだけ語彙力を強化できるかですね。
模擬問題を丸暗記するくらいまでやって、まだ語彙力が足りないと思ったらキクタンでも使ってみようかと思います。
繁体字の文章を読む【読解力の強化】
繁体字の文章を読むのも有効だと思います。要するに多読ですね。
繁体字の文章を読むことの狙いは2つあって、
1つ目は繁体字に慣れること、
2つ目は読解力を強化することです。
多読の方法としては、台湾のYahooニュースを毎日読むという方法が手軽で効果的だと思います。
スマホでも見られるので、通勤電車の中やちょっとした隙間時間に読むことができます。
いろんなジャンルのニュースを読むようにすれば、専門用語のボキャブラリーを強化することもできそうです。
TOCFL Band Cの勉強法をまとめると、
・過去問を繰り返し解いて、知らない単語を全て覚える ・繁体字の文章を多読する |
この2つを軸に進めていこうと思います。
今回の記事は以上となります。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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