今回は、中国語の独学の始め方についての記事です。
「中国語を独学したいけど、何から始めればいいの?」
という疑問にお答えしたいと思います。
中国語をゼロから独学する場合は、できるだけ早い段階で全ての発音と文法事項を覚えるべきだと思っています。
どうして発音と文法事項の習得を最優先させるといいのか、その理由と勉強法をご紹介したいと思います。
中国語独学で最優先すべきは「発音」と「文法」
中国語を独学するときに最優先で習得すべきなのは「発音」と「文法」だと思います。
中国語をゼロから独学したいという方は、何よりもまず「全ての発音と文法事項」を覚えましょう。
発音と文法に共通して言えることは
発音と文法事項は量的に有限なので、短期間で全て覚えることができる
ということです。
発音と文法事項の習得はすぐ終わる
発音と文法事項の習得はすぐに終わらせることができます。
私の場合は1ヶ月弱くらいで発音と文法事項を覚えられました。私が二十歳のときで、ほとんど独学でした。
“ほとんど独学”ということで、完全に独学で勉強したわけではありません。大学の第二言語の授業で中国語を選択していたからです。
が、私は大学の授業が始まる前から自分で独学していたので、授業よりも大分速いペースで進めました。
大学の第二言語で中国語を選択していなくても、同じようなペースで発音と文法は覚えられたんじゃないかと思っています。
個人差はあるかもしれませんが、大体1、2ヶ月で全ての発音と文法事項を覚えられるんじゃないかと思います。
すぐ終わらせられることから優先的にやる
発音と文法事項は量的に有限で、短期間で全て覚えることができます。
そうとくれば、中国語をゼロから勉強するときは発音と文法事項の習得から優先的に取り組んでいくのが理に適っていると思います。
仕事でやらなきゃいけない作業が溜まったとき、すぐに終わらせられる作業から優先的に終わらせていきますよね。その方が効率的だからです。
中国語を独学するときも同じです。
発音(声調とピンイン)を覚える
中国語をゼロから独学するなら、真っ先に発音を覚えましょう。
中国語の伝達手段は「発音」と「文字」です。発音と文字が分からないと使えません。中国語に限らず全ての言語に共通していることですね。
そして中国語の「文字」は漢字なので、勉強しなくてもある程度理解することができます。
そうなると、私たち日本人学習者が覚えるべきは「発音」です。
目指すは「聞き取れて、読める」こと
独学なので、自分の発音が正しいかどうかをチェックしてくれる人がいない前提の話です。
独学で発音を勉強するときの目標は、
・中国語を聞いて、発音記号(声調とピンイン)が分かること ・発音記号を見ながら曲がりなりにも発音できること |
になります。
独学の初期段階なら、とりあえず中国語の発音を聞いて分かり、発音記号を見て読めれば十分だと思います。
「ネイティブみたいな発音で話したい」という気持ちもあるかと思いますが、独学の初期段階ではちょっと厳しいと思います。
それに、発音は中国語の勉強を進めていくなかで、暗唱やシャドーイングを通して矯正することができます。
独学の初期段階では、「全くできない」が「ちょっとできる」になればいいんですよね。「ちょっとできる」を「よくできる」にするのは後々でもいいと思いますし、難しくもありません。
ということで、まずは「発音を聞いて分かり、発音記号を曲がりなりにも読める」レベルを目指しましょう。
独学で発音を覚える勉強法
独学で発音を覚えるための勉強法は、
① 発音の方法を頭で理解する ② 発音記号を見ながら、それに対応する中国語の音声を聞く ③ 発音記号を見ないで音声を聞き、ディクテーションする |
このようになります。
全ての文法事項を知る
発音を覚えるのと同時にやるべきなのは、全ての文法事項を覚えることです。
全ての文法事項を覚えることの効果は、
・中国語の全体像が分かる ・中国語の文章を曲がりなりにも読めるようになる |
ということです。
そうするとどうなるかというと、雪だるま式に中国語の知識が増えていきます。
雪だるま式に知識を増やす
中国語の文法事項を網羅できると、そこからは雪だるま式に知識が増えていきます。
これは何故かというと、
中国語の文法が分かる → 曲がりなりにも中国語の文章を読める → 既存の知識が深まる(「この文法にはこんな使い方があったのか!」「こういう場面ではこの文法を使うのか!」など)/新しい知識が増える(新出単語) |
ということになるからです。
文法事項は、中国語独学のできるだけ初期の段階で、広く浅く知っておくべきです。
反対に、一つひとつの文法事項に時間をかけながら丁寧に勉強していくとしましょう。
学習済みの文法事項は深く理解することができますが、全ての文法事項を覚えるのには時間がかかります。
この場合、
知っている文法と全く知らない文法がある → 中国語の文章を読めない → 知識が増えるまでに時間がかかる |
ということになります。
仕事でも同じだと思うんですが、 ・一つの業務を完璧に覚える → 全く別の業務を任される → ゼロから勉強し直す → 新しい業務ができるようになる → またしても別の業務を任される ・業務の全体像を知っておく → どんな業務もそれなりに対応できる → 実践を通して分からないことがあったときに勉強する どちらが効率的でしょうか?私は後者だと思っています。 |
中国語学習で、全ての文法事項を知っておくということは、仕事の業務の全体像を知っておくことに相当します。
中国語の文法の勉強法
中国語の文法は、下記のような流れで勉強するといいと思います。
① 文法の語順と意味、その他ルールを頭で理解する ➁ 用例をできるだけ暗記する |
要するに「教科書の文法の解説を読んで、本文や用例を暗記する」ということで、中学校や高校の英語の授業みたいですね。
文法のルールを頭で理解する
大人が新しい言語を習得するのは、子どもが言語を習得するのと同じようにはいきません。
まずは文法の語順や意味などのルールを、頭でしっかり理解する必要があります。
中学校や高校で習う英語はネガティブなニュアンスを込めて“受験英語”などと言われていますが、大人が英語を習得するには“受験英語”が効果的です。
中国語も“受験英語”のように、文法事項を頭で理解するところから始めましょう。
日本人が英語を話せないのは、受験英語を勉強したせいではなく、受験英語しか勉強していないからだと思います。受験英語+アウトプットの練習をすれば話せるようになるでしょう。中国語もそれと同じです。 |
具体的な勉強法ですが、教科書や文法書に載っている文法の解説を精読し、理解するのが効果的です。
もちろん、ルールを頭で理解するだけでは不十分なので、実際の用例をインプットしなければいけません。
教科書の本文を暗記・暗唱する
一つの文法事項を頭で理解したら、その文法事項を使った用例(例文)を暗記して、暗唱するのがおすすめです。
用例を丸暗記することによって、その文法事項を記憶に浸透させることができます。
用例のソースは、教科書の本文を暗記するのが一番いいかと思います。
教科書だったら本文に対応した文法の解説がありますし、順番としては、
① 教科書の本文を一度音読する ➁ 文法事項の解説を精読して理解する |
という流れで勉強するといいと思います。
発音と文法を覚えたら問題を解いてみよう
発音と文法を覚えたら何ができるかというと、中国語検定やHSKの過去問や模擬試験を解けるようになります。
中国語検定やHSKの問題を解くのはおすすめなので、是非やってみてください。
覚えた知識を使って問題を解くことのメリットは、
覚えた知識を自分のものとして使えるようになってくる
ということです。
中国語検定やHSKの問題を解くのが「アウトプットの代わり」と言えるかもしれません。
イメージとしては、
覚えたての知識は硬い → 自由に使えるようにはなってない → 中国語検定やHSKの問題を解く → 覚えたての知識を自分のものとして使う → 硬かった知識がほぐれて自由に使えるようになってくる |
という感じで、覚えた知識はとにかく使っていきましょう。
文法知識を一通り勉強し終えていたら、中国語検定4級を狙えると思います。
以下の記事で中国語検定4級の勉強法をご紹介していますので、参考にしながら取り組んでみてください。
今回の記事は以上となります。
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