今回は単語を効率良く覚えるための“単語ノート”の作り方についてです。
私も含む中国語学習者にありがちな、
「教科書を進めたり過去問やったりしてると分からない単語が出てくるけど、そういう単語はどうやって覚えるべきなんだろう?」
「単語帳を作った方がいいのかな?」
「どんな単語帳を、どうやって作ればいいの?」
こういった疑問にお答えします。
個人的には、自作の単語帳は作った方がいいと思います。
単語帳を作る過程で自然と単語を覚えられますし、自分に合った単語ノートを持つこともできます。
総じて効率的、且つ効果的な勉強法です。
単語学習としては「市販の単語帳を使う」方法と、「自分の知らない単語をまとめて単語帳を自作する」方法があると思いますが、私は自分で単語帳を作成する方がメインでした。
知らない単語を単語帳にまとめながら勉強していって、中国語学習歴8ヶ月でHSK5級レベルの単語2,500語は覚えられたと思います。
単語帳を自作することのメリット
実際に単語帳を自作してみると、下記のようなメリットがありました。
- 単語帳を作る過程で自然と覚えられる
- 自分に合った単語帳ができる
1.単語帳を作る過程で自然と覚えられる
自分の単語帳を作っていくなかで、「その単語を単語帳に書いただけなのに覚えられた」という単語がありました。
これは単語帳を作るプロセスと関係があると思っています。
単語帳を作るにあたっては、下記のような手順を踏みます。
知らない単語にぶつかる → 辞書でその単語を引く → 発音、意味、用例等を確認 → 情報を整理してノートに書き留める
このような、「分からないことを自分で調べて分かるようにする」というプロセスを踏むと印象に残りやすいと思います。
2.自分に合った単語帳ができる
分からない単語を1冊のノートにまとめていくと、最終的には自分に合った単語帳が出来上がります。
自作の単語帳に収録されている単語は全て“過去の自分が分からなかった単語”なので、“もう知っていて改めて覚える必要のない単語”はないはずです。
内容に無駄がなく、その中の単語を覚えれば覚えた分だけ、確実にレベルアップできることになります。
また、レイアウト等も自分が使いやすいようにアレンジすることができます。
自分で工夫しながら自分にとって使いやすい単語帳を作ることができれば、それだけ効果的、かつ効率よく単語を覚えることができると思います。
総じて、単語帳を自作することで覚えたい単語だけをまとめた単語帳ができますし、それを自作する過程でもある程度単語を覚えられるので、効率的に勉強することができます。
自作の単語帳の作り方
自作の単語帳を作る方法としては、私は下記の2通りの方法を試したことがあります。
- 紙のノートにまとめる
- パソコンで電子版を作る
どちらもメリットとデメリットがあるので、自分に合いそうな方法を試してみるといいと思います。
また、どちらの方法を採用するにしても、基本的な作り方や意識するポイントは変わりません。
紙の単語ノートの利点・欠点
単語帳の作り方として、紙のノートに単語を書いていくという方法があります。
この方法のメリットは下記の通りです。
- ペンとノートがあれば場所や時間を問わないため、手軽である
- レイアウトに関する自由度が高い
一方、デメリットもあります。
- 一度書いてしまうと後から修正できない
古典的な方法ではありますが、ノートとペンがあればいつでもサッとメモできる手軽さは便利だと思います。
私はこの単語ノートでHSK5級の単語を暗記して、結果としてHSK5級を250点越えで合格することができました。
単語をまとめるなら、個人的には紙のノートのほうが好きです。
電子版の利点・欠点
紙の代わりに、パソコンやスマホでWordやExcelに単語を書いていき、電子版の単語帳を作成したことがあります。
この方法には下記のようなメリットがあります。
- 作ったあとで修正したり内容を変えるのが簡単
- スマホで見られるため、ノートを持ち運ばなくてもいい
レイアウトや内容をいつでも自由に変更できるため、使いやすいように常に改善していけるのは便利でした。
一方のデメリットは下記の通りです。
- 声調記号を入力するのが面倒
- スマホは画面が小さく、慣れていないと操作しにくい
- パソコンは持ち運びが不便なため、場所的な制約がある
特に、「声調記号を入力するのが面倒」という問題には困りました。
結局、ピンインの後ろに1~4の数字を書いておくことで、声調記号の代わりにしました。
例えば「解决/jiě jué」という単語は、WordやExcelの単語帳には「解决/jie3jue2」と入力します。
単語帳の作り方と意識するポイント
紙のノートにまとめる方法と、パソコンやスマホで電子版を作る方法をご紹介してきました。
紙と電子版、どちらの方法を採用するにしても、作り方や意識するポイントは共通しています。
下記の通りです。
- 「漢字・意味・ピンイン」をセットで書く(ピンインは分かるなら省略可)
- 「実詞」と「虚詞」で文字を色分けする
- レイアウトや字の綺麗さに拘りすぎない
- 単語の出どころを明記しておく
特に役立ったと思うのは、実詞と虚詞を色分けしたところです。
- 実詞:単独で具体的な意味を表す単語のこと(名詞、動詞、形容詞など)
- 虚詞:単独で使えず、実詞や文章そのものを結びつける役割を果たす(介詞、接続詞、副詞、助詞など)
例えば「虽然我学过英语,但是不会说」の「虽然~但是…」は「~ではあるけれど、しかし…だ」という意味ですが、これ単体では具体的な意味を表しません。
「我学过英语(英語を勉強したことがある)」とか「不会说(話せない)」という具体的な状況を表すフレーズ(実詞フレーズ)とセットになって初めて使うことができます。
このように、実詞と虚詞は中国語の文中における役割が違います。
色分けすることによって、実詞と虚詞の違いを意識しながら覚えることができました。
上の画像は、私がHSK5級対策として実際に作成した単語帳です。
実詞は黒、副詞は赤、介詞は黄色、接続詞は青を使って色分けしています。
自作の単語帳を使って単語を覚えるコツ
単語帳を使って単語を覚えていくときのポイントは、下記の2点です。
- “質より量”が大事、回転率を意識する
- 気付いたことをどんどん書き込む
回転率を意識する
単語を覚えるときは、スピード重視で回転率を上げるようにします。
どんなにしっかり覚えたつもりでも時間が経てば忘れてしまうため、その分何度も勉強することによって忘れないようにするわけです。
単語は時間とともに忘れるもの
「確かに勉強したことがある単語なのに忘れてる」なんてことはありませんか?
1回勉強しただけの単語は、どんなに時間をかけてしっかり覚えたつもりでも、時間が経てば忘れてしまいます。
そのときは覚えられたと思っても、覚えたものはいつまでも記憶に残っていてくれません。
覚えた単語を、すぐに消える「短期記憶」ではなく、長持ちする記憶「長期記憶」にするにはコツがあります。
そのコツとは、「同じ単語を何周も繰り返して勉強する」ことです。
単語群と個々の単語の違い
単語を覚えるには、その単語群に対するアプローチと、単語一つひとつに対するアプローチがあると考えています。
- 単語群:覚えたい単語のグループ(単語帳1冊、単語500語、過去問1回分の新出単語など)
- 単語:単語群を構成する個々の単語
単語群に対するアプローチというのは、「100語、500語或いはそれ以上の単語のまとまりをどうやって覚えるか」ということです。
そして、単語一つひとつに対するアプローチは、「単語群を構成する単語一つひとつをどうやって覚えるか」ということです。
単語群に対する回転率を上げる
単語群に対するアプローチとしては、回転率を重視し、同じ単語群を何周も勉強するのがおすすめです。
同じ単語群を何周も勉強することによって、忘れにくくなるからです。
例えば、「500個の単語を覚える」という目標があるとしましょう。
この500個の単語に対して、じっくり時間をかけて全ての単語を完璧に覚えようとするのは難しいものです。
そうではなく、個々の単語に時間をかけないで、とにかく短期間で一旦最後まで勉強するようにします。
最後まで一通り勉強し終わったら最初に戻り、また同じように最初から勉強していきます。
つまり、2周目に入るわけです。
個々の単語を覚える3つのステップ
単語一つひとつに対するアプローチですが、下記の手順を踏むのがおすすめです。
- 単語の漢字と意味、発音を確認する
- 意味をイメージしながら、漢字を見て発音する
- その単語を使った簡単なフレーズを作る
単語一つを覚える時は、上記の手順をスピード重視で、できれば20~30秒ぐらいで進められるといいと思います。
単語の覚え方については下記の記事でも紹介しています。
気付いたことはどんどん書き込む
自作した単語帳に完成はありません。
更に使いやすい単語帳になるように、どんどん改善していきましょう。
例えば、使えそうな用例に出会ったらそれを書き留めたりしておくと便利です。
私のおすすめは、類義語や対義語、関係のある単語等を同じページに合わせて書いておくことです。
こうすると複数の単語をまとめて覚えやすくなります。
ここまで、単語帳の作り方と活用法を紹介してきました。
語彙力をつけたいとお考えの方は、是非参考にしてみてください。
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