「単語を覚えられない」
「単語帳を買ったけど、あまり役に立たなかった」
「覚えたい単語がたくさんあるけど、覚え方がわからない」
こんなお悩みがあるなら「使わないと損」なアプリがあります。
それは『Anki』です。
『Anki』とは、暗記カードを作れるアプリです。
『Anki』をおすすめする理由は3つあります。
- 暗記カードを自由に作れる
- レイアウトや項目を変更できる
- 勉強のスケジュールを自動で組んでくれる
『Anki』はこのような特徴があるため、単語を覚えるのに効果的です。
この記事で『Anki』を詳しく紹介します。
『Anki』とは?
『Anki』はその名の通り、暗記カードのアプリです。
紙の表にヒント、裏に答えが書いてあるカードのこと。
学習者は表のヒントだけを見て、裏の答えを予想する。それから裏を見て、予想した答えが合っていたかどうかを確認する。
呼び方は「暗記カード」の他に「フラッシュカード」「単語カード」などもある。
『Anki』を使えば、スマホやPCで暗記カードを活用した勉強ができます。
『Anki』を始めたきっかけ
僕が『Anki』を始めた理由は「中国語検定1級に合格するため」です。
中国語検定の最上級。中国語に関する試験の中で最も難しい。
そのため、受験者の中には中国人もいる。にも関わらず合格率は約5%。
特徴は、中国人も知らないような単語や慣用句が出題されること。
中検1級は「どれだけ単語を知っているか」、つまり語彙力の勝負です。
しかし、僕は単語を覚えるのが苦手でした。
それまで語彙力の強化に取り組んだことはありませんでした。
語彙力をつける方法がわからなかったのです。『キクタン中国語【上級編】』を買ってみたものの、効果なし。覚えたと思っても、すぐに忘れてしまいます。
割れたコップに水を注いでいる感覚でした。
単語の覚え方を探しているときに『Anki』を知りました。
そして「ものは試しだ」と思って『Anki』を始めたところ、みるみるうちに語彙力がつきました。
『Anki』をおすすめする理由
『Anki』は4つのメリットがあります。
- 最適な復習のスケジュールを自動で組んでくれる
- 自分専用の暗記カードを簡単に作れる
- 暗記カードに表示する情報の種類を選べる
- 暗記カードのレイアウトを自由に変更できる
復習のスケジュールを自動で組んでくれる
『Anki』は復習のスケジュールを自動で組んでくれます。
単語を覚える鍵は「復習のタイミング」
単語を覚えられるかどうか、その鍵を握るのは「復習のタイミング」です。
1度見ただけの単語をすぐに覚えられる人はいません。
単語を覚えるには「復習」が必要不可欠です。
そして、復習において大事なのは「タイミング」です。
勉強したばかりで鮮明に覚えている単語は、復習しても意味がありません。
逆に復習していない単語は忘れ、振り出しに戻ってしまいます。
最適な復習のタイミングは、覚えた単語が「忘れるか忘れないかのボーダーライン」にあるときです。
『Anki』はこのタイミングを自動で計算して、最適な復習のスケジュールを組んでくれます。
たとえば「肃穆」という単語を初めて勉強したとします。
1度見ただけの単語は忘れやすいので、次に「肃穆」が出題されるのは翌日です。
翌日も「肃穆」を覚えていたら、次に「肃穆」が出題されるのはその3日後になります。
2日連続で「肃穆」という単語を勉強したことで、1度見ただけのときと比べて忘れにくくなっているためです。
このように、「最適な復習のタイミング」は一定ではありません。
習得の度合いによって複雑に変わります。
『Anki』は特別な操作はいらない
復習のベスト・スケジュールを組むために、特別な操作はいりません。
『Anki』が復習のスケジュールを組んでくれるからです。
ユーザーは表示されているヒントを見て、答えを予想します。
それから「解答を表示」をタップして、答えが合っていたかどうかを確認します。
最後に、この問題を解いた結果を自分で評価します。
予想した答えが間違っていたら「もう一度」をタップ。
答えは合っていたけど難しかったと思ったら「難しい」。
すんなり正解できたら「普通」。
もう忘れないほど完璧に覚えていたら「簡単」。
『Anki』はこの自己評価を記録していて、それをもとにユーザーの習得状況を計算します。
このようにして『Anki』はユーザーの習得状況を把握して、それをもとに最適な復習のスケジュールを自動で組んでくれます。
そのため、ユーザーは自分で復習のタイミングを意識しなくても、単語を効率よく覚えられます。
自分専用の暗記カードを作れる
『Anki』を使うと、自分だけの暗記カードを簡単に作れます。
スマホアプリ版は手入力で暗記カードを作れます。
PC版は手入力のほか、csvをアップロードすることで何百枚もの暗記カードを一度に作ることもできます。
僕は『絶対合格!中国語検定準1級・1級トレーニングブック』から4,000語を抜粋して暗記カードを作りました。
どこにも置いていない「自分専用」の単語帳です。
『Anki』は、自分が覚えたい単語だけが入った単語カードを作れます。
そのため、自分の目標に合わせて、単語を効率よく覚えられます。
暗記カードに表示する情報を選べる
暗記カードに入れる情報の種類を選べます。
デフォルトのカードは「表にヒントが1つ、裏に答えが1つ」というシンプルな内容です。
必要最低限の情報しか入っていません。
『Anki』はこの情報を変更したり、他の情報を追加したりできます。
僕は「表にピンイン、裏に漢字・意味・用例・類義語と対義語」を入れています。
ピンインを表にしている理由は、リスニングのためです。
ピンインから意味が浮かぶようになれば、音を聞いて意味を理解することもできるようになります。
また、裏に「用例」や「類義語と対義語」を入れているのは、これらを通して単語の印象を深めて、覚えやすくするためです。
このように、『Anki』は好きな情報を暗記カードに入れられます。
単語の用例や対義語・類義語を入れれば、その単語は印象に残りやすくなります。
暗記カードのレイアウトを変更できる
暗記カードのレイアウトを自由に変更できます。
たとえば文字の大きさや太さ、色を変えたりできます。
僕は漢字の表記だけを太字にして、目立つようにしています。
それ以外にも『Anki』はできることがたくさんあります。
細かい機能はこちらの日本語マニュアルで詳しく解説されています。
ただ、目的は単語を覚えることなので、実際はそこまで複雑な機能は使いません。
まずは簡単なところから始めて、慣れてきたら必要に応じて工夫していくといいですね。
僕の『Anki』の使い方をまとめたnoteもあるので、よろしければ参考にしてみてください。
単語を覚えるなら『Anki』がおすすめ
「単語を覚えられない」こんなお悩みがあるなら、ぜひ『Anki』を試してみてください。
『Anki』は科学に裏打ちされた方法で単語を勉強できます。
単語を覚えられないのは「覚え方を知らないから」だと僕は思います。
記憶力がないからではありません。
正しい方法で単語を勉強すれば、誰でも語彙力をつけることができます。
単語を覚えるために大事なのは、「覚えたい」という意志と、タイミングよく復習を繰り返すことです。
これらを可能にする仕組みを『Anki』は備えています
- 暗記カードを自分で作れる = 覚えたい単語だけを『Anki』に追加する = 『Anki』にカードがある単語はすべて覚えたい = 「覚えたい」という意志を持って勉強できる
- 習得状況に応じて『Anki』が復習のタイミングを計算する = 最適なタイミングで復習できる
たとえば、僕は『Anki』を使って、4ヶ月間で4,000個以上の単語を覚えられました。
ちなみに中検1級の結果はどうだったかというと……
「不合格」でした。
その原因は「4,000語を覚えてもカバーしきれない中検1級の語彙」と「日本語を中国語に翻訳できなかったこと」です。
僕の成績表です。
中検1級の結果。完璧に実力不足でした。最後の中国語訳が極端に低く、最大の課題は表現力と言えそうです。他の問題も結構落としていて、知識不足も露呈してしまいました。
— dàshù_大樹@中検準1級×HSK6級 (@shushu9625) December 16, 2020
ただ過去の自分からは成長できたことと、何も知らない井の中の蛙を自覚できたことは大きな収穫でした。来年はリベンジしたい! pic.twitter.com/3JDyXaFGZs
筆記の5(日本語の文を中国語に訳す問題)が極端に低いです。
その一方、筆記の1~3(長文、空欄補充、類義語・説明の選択)は8割正解できています。
これは語彙力がついた結果であると同時に、『Anki』で単語を覚えられたことの証明だと思います。
単語を覚えたいなら、『Anki』を試してみる価値はあると思います。
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