中国語の発音のコツを紹介【4大“難しい発音”を克服しよう】

ノートとその上に置かれた葉っぱ、カフェラテ 発音

今回は中国語の発音のコツ、中でも難しい発音を克服するための練習法をご紹介します。

 

中国語の特徴として、日本語には全くない発音が多いことが挙げられます。

日本語にない発音が多いことが、中国語は発音が難しいと言われる所以だと思います。

今回は「日本語と違う発音が多くて、そういう音をなかなか正しく発音できない…日本人で上手く発音できてる人たちはどうやってるんだろう?」という疑問にお答えできればと思います。

 

◆この記事の主張

 1.日本語にない発音が難しい原因は「イメージできない、口を正しく動かせない、自分じゃ正誤を判断できない」の3点だと思う。

 2.克服するために有効だったのは「原理を理解すること、スポーツの如く反復練習すること、録音して聞き比べること」の3つ。

 

私も中国語を始めたばかりの頃は発音に苦戦し、HSK5級を取得してからも発音は文法等と比べると苦手でした。

「老师」という簡単な単語を聞き取ってもらえなかったこともあります。

それからは「話して通じる中国語を目指そう」と思って工夫した結果、ちゃんと通じる発音を身につけることができ、今では発音はネイティブみたいだと言われます。

 

難しい発音の効果的な練習法

くじら雲

中国語を始めた頃は、日本語にない発音に苦戦しました。

苦戦した理由を考えてみると、下記の3点が思い浮かびます。

 

 (1) 発音したことがないのでイメージがわかない。

 (2) 動かす口の部位が日本語と違って、イメージが湧いても上手く口を動かせない。

 (3) 上手く発音できたとしても、本当に正しいかどうか自分じゃ判断しにくい。

 

そして、上記の原因の対抗策を考えていけば発音できるようになるだろうと考えたのです。

こんな感じです。

 

 (1) 問題:イメージがわかない → 対策:原理を理屈で理解する

 (2) 問題:口を動かせない → 対策:反復練習して口の筋肉を鍛える

 (3) 問題:正しいかどうかわからない → 対策:録音して自己採点する 

 

これから一つずつ紹介していきますね。

 

1.原理を理解してイメージする

難しい発音は、まず原理を理解することから始めました。

原理とは、唇の開き方、舌の位置、息の強弱、発音の時に力を入れる部位、等です。

 

原理をしっかり理解できると発音の理屈がわかるようになり、正しい発音のイメージを頭の中に持てるようになります。

自分の発音が通じなかった時に、どこが間違っていたのかを知る助けにもなります。

 

私はこの原理を理解していない頃は、発音のイメージが湧かないので自己流の発音でした。

ほとんど通じず、どこが悪くて通じないのかもわかりませんでした。

 

発音の原理を理解してからは、どうやって口を動かせばいいのか、舌の位置はどこが正解かといった正しい発音のイメージが湧きました。

これが私の発音習得の第一歩だったと思います。


発音が難しくてできない場合、まずはその発音の原理を理解できているかどうかを確認してみるのがおすすめです。

 

2.筋トレのつもりで反復練習

原理を理解できたら、とにかく反復練習です。

 

私は、発音はスポーツだと思っています。

発音もスポーツのように反復練習が大事で、口を動かして繰り返し練習して、正しい発音をするのに必要な筋肉を鍛えます。

 

日本語はそれほど唇や舌を動かさずに発音しますが、中国語は唇を大きく動かして発音します。

舌を反らせないと発音できない音もあります。

こういう発音は、とにかく反復練習してその部位の筋肉を鍛えて、動きを身体に覚えこませるようにしました。

 

いきなり正しく発音できないので、唇の開け方等の覚えた原理を意識しつつ、お手本のCD音源を繰り返し模倣しました。

練習していくうちに、自分の中でだんだんと腑に落ちてきます。

 

最初は疲れますが、普段使っていない筋肉を使うことになるので疲れるのは当然だと思っていました。

むしろ全然疲れない方が、日本語と同じ筋肉しか使っていないことになるので問題だと思います。

 

3.録音して聞き比べる

自分の発音は必ず録音することにしていました。

録音しておくと、自分の発音を矯正するのに役立つからです。

 

お手本のCD音源と聞き比べると、自分の発音は正しいのかどうか、間違っているとしたらどこに問題があるのかがわかります。

 

【筆者流】4大“難しい発音”のコツ

嬉しそうにジャンプする人

中国語の発音の中でも、特にイメージしにくく難しいと思ったのは【e】、【有気音と無気音】、【そり舌音】、【鼻音(nとng)】でした。

 

最初は苦戦しましたが、自分なりに工夫をしてマスターすることに成功しています。

 

1.【e】日本語の「エ」の口で「ゥア」

中国語の短母音【e】はそのまま「エ」とは読みません。

日本語の文字で表すことはできず、音を聞く限りでは、「ア」と「ウ」の中間のような不思議な音を出します。

 

【e】の音を練習する時、私は下記のことを意識して発音しました。

 ・唇の形は日本語の「エ」を発音する時と同じにする。

 ・喉の奥から、搾り出すようにして「ゥア」と発音する。 

 

個人的なポイントは、①喉に力を入れて搾り出すようにすることと、②「ゥア」の「ゥ」は弱く添える程度にして、「ゥ」と言うか言わないかのうちに「ア」を繋げることです。

 

このイメージで反復練習したお陰で、難しい【e】の発音ができるようになりました。

 

2.【有気音と無気音】無気音は濁音で

中国語には【有気音】と【無気音】という概念があります。

有気音は息を吐き出して発音する強い音で、無気音は息を抑えながら発音する弱い音です。

日本語にはない概念なので、私も最初はなかなか発音できませんでした。

 

そこで私が意識したのは、無気音を日本語の濁音(文字の右上に「゛」が付いた音)で発音することです。

例えば、中国語の無気音【ba】は本来日本語の「バ」とは違いますが、私は【ba】を日本語の「バ」と同じ感覚で発音しています。

 

中国語の無気音は本来濁らない音で、濁音とは全く違いますが、音を聞く分にはほとんど違いはありません。

【ba】と【pa】をそれぞれ日本語で「バ」、「パ」と発音しても中国人は分かってくれます。

 

有気音と無気音を正しく発音しようとすると話す速度が遅くなり、そっちの方が聞いてる方としてはもどかしいんじゃないかと思ったのも理由です。

 

3.【そり舌音】舌を持ち上げる感覚

難しい発音代表格の【そり舌音】、ピンインだと【zh】、【ch】、【sh】、【r】、【er】がそり舌音にあたります。

日本語は舌を意識して動かすことがないので、そり舌音は慣れるまでは非常に苦労します。

私も試行錯誤しながら、中国語学習2年目くらいになってやっと腑に落ちてきました。

 

そり舌音を発音するときは、舌を反らせるというよりは舌を盛り上げるようなイメージで発音しています。

例えば【zhi】なら、舌先が上の歯茎に当たるまで舌全体を自然に持ち上げて、「ジ」と発音します。

 

以前の私はそり舌音を出すときに舌を反りすぎる癖があり、そのせいで聞きとりにくい変な発音になっていました。

舌を反りすぎる癖を直すため、舌先だけでなく舌全体を持ち上げるような意識に変えたところ、それが上手くいきました。

 

舌全体を持ち上げるようにすることで舌の位置が安定しやすくなるのもメリットです。

 

4.【鼻音】音の響きを意識する

中国語には鼻音というものがあり、【n】と【ng】がそれにあたります。

【n】と【ng】は日本人の感覚でいくとどちらも同じ「ン」に聞こえ、日本人にとっては非常に難しい発音です。

 

【n】は舌を上の歯茎につけた「ン」、【ng】は舌をどこにもつけないで発音する「ン」です。

有名な覚え方は、日本語の「案内」と「案外」を言ってみてください。

「案内/アンナイ」と言う時は、舌が上の歯茎についていると思います。

それに対して「案外/アンガイ」は、舌がどこにもついておらず、空中に浮いているはずです。

前者は中国語の【an】、後者は【ang】です。

 

こんな感じで、日本語の知識を基礎にするとわかりやすいと思いますし、私もこれは腑に落ちました。

ただ、実際に発音するときは【an】や【ang】のように「a+n/ng」だけでなく、他のパターン、例えば【yin】と【ying】のような発音もあります(どちらも日本語表記は「イン」)。

 

そこで私は、自分の中でイメージを作りました。

私が意識しているのは、「音を響かせるかどうか」です。

・【n】:舌を上の歯茎にくっつけて口の中のスペースをなくし、口の中で音が響かないようにする。

・【ng】:口の中の空間を大きくとって、口の中で音を響かせる。頭の中まで音が響いてくる感じ。

 

ここまで、日本人にとって難しい中国語の発音を紹介してきました。

今回の記事を参考にして、発音の悩みを克服してくださいね。

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