今回は中国語のリスニングの練習法についてです。
中国語のリスニングって難しいですよね。
私もよく、
「中国語検定を受けたけどリスニングで落としちゃった」
「とにかくリスニングが苦手で、検定試験の過去問をリスニングに絞って繰り返し解いてはいるんだけど、やっぱりちょっと不安…」
という話を聞きます。
こういったお悩みの解決案として、リスニングの効果的な練習法をご紹介したいと思います。
◆この記事の主張
1.自分がリスニングが苦手な理由を知るのがおすすめ。例えば単語を知らないのか?文法が曖昧なのか?それとも音を正確に聞けてないのか?など。 2.苦手な理由に応じた勉強法でリスニングを強化していくと効果的。 |
リスニングのスキルは確かに伸ばしにくいと思います。
が、リスニングを鍛えるちゃんとした勉強法もありますし、理に適った方法でコツコツ勉強していけばリスニングは克服することができると思います。
一朝一夕のことではないかもしれませんが、しっかりした勉強法で続けることが大事です。
リスニングを鍛えるための勉強法にはいくつかありますが、この記事では私がおすすめするリスニングの勉強法をご紹介したいと思います。
リスニング強化の手順は「弱点発見→補強」
まずは中国語のリスニング上達の全体像をご紹介します。
◆中国語のリスニング上達の流れ ①リスニングが苦手な原因となっている問題を突き止める ➁その問題を解決し、リスニングの上達を狙う |
リスニングが苦手な原因となっている問題をはっきりさせて、その問題を解決することによってリスニングの向上を狙います。
こうした段階を踏むことによって、効率的かつ効果的にリスニングを鍛えることができます。
リスニングが苦手な原因を知る3ステップ
リスニングが苦手なのには理由があると思いますので、まずはその理由を突き止めるところから始めます。
リスニングが苦手な原因が分かれば、どのように対策していけばいいのかも見えてきます。
リスニングができない原因は、大抵の場合下記の3つに分類することができます。
(1) 聞いた単語自体を知らない【語彙力の問題】 (2) 文章から意味を導き出せない【文法の問題】 (3) 音を正確に聞き取れない【音の聞き分けの問題】 |
これから紹介する方法を使って、それぞれどうやって対策していけばいいのかを考えてみましょう。
Step1.中検かHSK過去問のリスニングを解く
まずは、中検かHSKの過去問のリスニングのパートを試験形式で通して解いてみます。
聞き取れない原因を探るために、一度実際に聞き取ろうとしてみるところから始めます。
そして、この段階でやっておくと効果的な作業があります。
それは、「解答の自信の程を3段階くらいに分けてメモしておく」こと。
メモの仕方はいろいろあると思いますが、私は問題番号のあたりに記号で書くようにしていました。
例えば、自信を持って答えられた問題は「○」、なんとなく答えた問題は「△」、全く分からず当てずっぽうで答えた問題は「×」を書いておく、という感じです。
ちょっと面倒くさいかもしれませんが、私はこれをやることによって効果的に対策でき、勉強の質を高めることができました。
おすすめの方法です。
過去問のリスニングを一回分解いたら、普通に答え合わせをします。
Step2.ディクテーションをやる
答え合わせをしたら、間違えた問題、そして「△」と「×」をもう一度聞いて、ディクテーションをします。
ディクテーションとは書き取りのことで、音声を聞いて、聞こえたピンインを書いていく作業になります。
聞こえたピンインを書いていくことによって、音を正確に聞き取れているかをチェックすることが狙いです。
例えば「Tiān jīn」という音を聞いたとします。
ディクテーションで「Diān jīn」と書いてしまったら、「t」と「d」の聞き取りを苦手にしている可能性があります。
一方、「Tiān jīng」と書いたら、「t」と「d」はしっかり聞き分けられていますが、「n」と「ng」の区別がついていないのかもしれません。
こんな感じで、どの音が聞き取れていないのかを知ることができます。
ディクテーションは便利な勉強法ですが、注意点がひとつだけ。
事前にスクリプトを見たり、漢字を書いたりしないことです。
漢字を見てしまうと、その漢字からピンインを導けてしまうからです。
音だけを頼りにして、ピンインだけを書くように意識してみてください。
ディクテーションの方法は以下の記事で解説しています。
Step3.スクリプトを確認する
ディクテーションが終わったらスクリプトの出番です。
間違えた問題、そして「△」と「×」をつけた問題のスクリプトを特に重点的に確認していきます。
ディクテーションの結果と合わせてスクリプトを見ることによって、間違えたり聞き取れなかったりした原因がわかります。
スクリプトを見てわからない単語があったら、それは語彙力の問題です。
単語は大丈夫だけど文章の意味がわからなかったら、文法が曖昧な可能性があります。
単語も文法も問題なければ、ディクテーションの結果を見てみましょう。
単語や文法は知っていたのに、音を正確に聞き取れなかったことで間違えてしまったのかもしれません。
苦手なポイントに応じたリスニング練習法
リスニングの対策は、「単語」、「文法」、「音の聞き取り」の3点を意識していくのがおすすめです。
【単語】知らない単語を書き出す
知らない単語が多かったら、スクリプトを見ながら知らない単語を書き出していきます。
とにかく語彙を増やすことが狙いです。
いくら音を正確に聞き取れていたとしても、その単語を知らなければ結局意味までは辿り着けず、リスニングもできません。
聞き取れなかった単語を全て書き出してしまいましょう。
単語の覚え方は以下の記事で紹介しています。
【文法】文章の構造を整理する
文法が曖昧だったら、文法を一度整理しておきます。
文法がわからなければ文章の意味を理解することができませんし、やはりお手上げ状態になってしまいます。
良質な教科書や文法書を使えば、聞き取れなかった文章に使われている文法事項を整理することができます。
中国語の文法を整理するには以下の記事が参考になるかと思います。
【音の聞き取り】苦手な音をしっかり把握する
ディクテーションの結果を見て、自分が正確に聞き取れていない音(ピンイン)をしっかりと把握しておきます。
苦手な音を把握しておくことによって、リスニングを繰り返し練習するときに自然とその音に意識を向けられるようにするのが狙いです。
正確に聞き取れていない音をすぐに克服するのは難しい場合もあると思います。
それなら、まずは苦手な音のピンインを紙に書いておくなどして、意識することだけは常にできるようにしておきましょう。
例えば、私は学習を始めたばかりの頃、「d」のピンインと「t」のピンインの聞き分けが苦手でした。
そのため、付箋に「dとtの聞き分け」と書いて、いつもリスニングの音声を再生するときに使っていたパソコンのモニターに貼っていました。
リスニングも結局は反復練習することになりますから、二回目以降に苦手な音を意識して聞けるということが重要だと思います。
【共通】同じ問題を繰り返す
単語と文法を解決して、自分の苦手な音もはっきりさせたら、同じ問題を繰り返し解きます。
リスニング対策においても、同じ問題を反復練習することが効果的だからです。
例えば下記のような感じです。
第95回のリスニング → 第94回のリスニング → 第95回のリスニング → 第93回のリスニング → 第94回のリスニング → 第92回のリスニング… |
イメージとしては、過去問1回分を「問題を解く→ディクテーション→スクリプトを確認→単語と文法を確認」という流れで行い、それをひたすら繰り返していった感じですね。
ここまで、リスニングの練習法をご紹介してきました。
リスニングは克服さえできれば、中検やHSKにも役立ちます。
この記事で紹介した方法を使って、リスニング大好きな人になりましょう。
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