今回は、中国語の時間詞と時量詞についてです。
時間を表す言い方は、日常的に誰もが使っています。
使う頻度が多いからこそ、その言い方がしっかりマスターできていないと、いざというときに困ってしまいますよね。
「中国語の文法は理解できてきたけど、時間を表す単語はどこに置けばいいのかわからない」
「時間を表す単語って使う頻度も多いし、伝わらないと困る」
と感じている方へ、中国語で時間を表すときの言い方をご紹介します。
- 時間点は「時間詞」、時間の長さは「時量詞」で表す。文中での位置は時間詞が主語の前後、時量詞は動詞の後
- 時量詞は文中での位置に例外もあり、目的語の後に置かれる場合もある
私も中国語を始めた当初は、時間を表す言い方がわからなくて混乱していました。
しかし、文法書で“時間詞”と“時量詞”という概念に出会ってから一気に腑に落ちました。
この記事では、“時間詞”と“時量詞”を分かりやすくご紹介します。
中国語で時間を表す2種類の単語
時間を表す言い方は2種類あります。
それぞれの定義も文法上の扱いも全く異なるので、まずはここをはっきりさせるところから始めましょう。
時間点は“時間詞”、時間量は“時量詞”
中国語で時間を表す言い方は、“時間詞”と“時量詞”に区別することができます。
それぞれの定義は下記の通りです。
- 時間詞:ある特定の時間(点)を表す
- 時量詞:時間の長さ(量)を表す
図に表すとこのようになります。
中国語では、この“時間詞”と“時量詞”を異なる概念として明確に区別します。
文法的にも、文中において置かれる位置がそれぞれ決まっています。
これから詳しく解説していきますね。
時間詞の特徴と使い方
時間詞というのは、「ある特定の時間(時間の“点”)を表す単語やフレーズ」のことです。
「特定の時間を表す」と言われて、どんな単語があるかイメージできますか?
時間詞という概念の感覚を掴んでいただくために、時間詞に該当する日本語を下記の通りにまとめました。
- 年:去年、今年、来年、西暦○○年、旧暦○○年、等々
- 季節:春、夏、秋、冬
- 月:先月、今月、来月、1月から12月までの各月
- 週:先週、今週、来週
- 曜日:月曜日から金曜日までの各曜日
- 日:各月1日から31日までの各日
- 時間帯:朝、午前、昼、午後、夕方、夜、深夜、等々
- 時間:午前0時から24時までの各時間
- 分:毎時1分から59分までの各分
いかがでしょう、時間詞がどんなものかをイメージできましたか?
時間詞の位置は“主語の前後”
中国語の時間詞は、主語の前後に置かれます。
例を挙げますね。
今日、私は中国語を勉強しました
上記の日本語を中国語で言ってみましょう。
上記の日本語の文の中で、時間詞に当たる単語はどれでしょうか?
そう、「今日(今天)」ですね。
主語は「私(我)」です。
時間詞「今天(今日)」を主語「我(私)」の前後どちらかに置くわけなので、中国語は下記のようになります。
“今天”我学了中文
今日私は中国語を勉強しました
我“今天”学了中文
私は今日中国語を勉強しました
ちなみに、時間詞を主語の前後どちらに置いても大きな違いはありません。
日本語でも同じですよね。
時量詞の使い方
時間詞が時間の点を表すのに対して、時量詞は「時間の長さ(量)」を表します。
先ほどと同じく、時量詞に該当する日本語を見てみましょう。
- 年:五年間、一年間、半年間、等々
- 月:一ヶ月間、半月、等々
- 週:三週間、一週間、等々
- 日:十日間、五日間、一日、半日、等々
- 時間:五時間、三時間、一時間、等々
- 分:50分、30分、10分、1分、等々
- 秒:10秒、5秒、1秒、等々
時量詞は上記の通りです。
時量詞の位置は“動詞(述語)の後”
時量詞は、動詞の直後に置きます。
こちらも例文を見てみましょう。
私は中国語を一時間勉強しました
上記の日本語を中国語で何と言うでしょうか?
まず、上記の日本語の文の中の時量詞を探しましょう。
そう、「一時間(一个小时)」ですね。
時量詞は動詞の後に置くわけですが、上記の文の動詞は「勉強する(学)」です。
そうすると、このようになります。
我学了“一个小时”中文
私は中国語を一時間勉強しました
それでは、「私は今日中国語を一時間勉強しました」は中国語でどう言えばいいのでしょうか?
時間詞と時量詞が混ざってしまわないように注意しましょう!
「今日」は時間詞、「一時間」は時量詞になります。
今天我学了一个小时中文
今日私は中国語を一時間勉強しました
我今天学了一个小时中文
私は今日中国語を一時間勉強しました
上記の通りです。
慣れないうちは混乱するかもしれませんが、慣れれば一発で使い分けられるようになります。
時量詞の位置の注意点
時間詞は動詞の前後、時量詞は動詞の後に置きます。
が、時量詞の位置には例外があります。
つまり、場合によっては「時量詞が動詞の直後に置かれない」ということです。
下記のようなケースだと、時量詞は(動詞の後ではなく)目的語の後に置かれます。
- 目的語が場所を表す語句のとき
- 目的語が人称代名詞のとき
詳しく解説していきますね。
1.目的語が場所のときは目的語の後ろ
時量詞が目的語の後に置かれる第一のケースは、目的語が“場所を表す語句”だったときです。
主語(誰が)+動詞(どうした)+場所を表す目的語(どこへ)+時量詞
例を挙げますね。
下記の中国語は正しいでしょうか?
我学一个月中文了
私は中国語を一ヶ月間勉強しています
上記の中国語は正しいと言えますね。
目的語の「中国語(中文)」は場所でないため、時量詞「一ヶ月間(一个月)」は本来の位置である“動詞の後”に置かれるのが正解です。
それでは、下記の中国語はいかがでしょう?
我来一个月中国了
私は中国に来て一ヶ月になります
こちらの中国語は正しくありません。
何故かというと、時量詞の位置に問題があるからです。
上記の文の目的語は「中国」で、場所を表す単語ですよね。
目的語が場所を表す語句の場合は、時量詞は本来の位置(動詞の後)ではなく、目的語の後に置かなくてはいけません。
そうすると、下記のようになります。
我来中国一个月了
私は中国に来て一ヶ月になります
2.目的語が人称代名詞のときは目的語の後ろ
時量詞が目的語の後に置かれる第二のケース、それは目的語が“人称代名詞”のときです。
“人称代名詞”というのは、「人の名前の代わりに使う語句」だと思っておけばいいと思います。
代表的な人称代名詞は下記の通りです。
あなた(你)、彼(他)、彼女(她)、あなたたち(你们)、彼ら(他们)、彼女たち(她们)、みんな(大家)
上記の人称代名詞が目的語になるケースでは、時量詞は目的語の後に置くことになっています。
主語(誰が)+動詞(どうした)+人称代名詞の目的語(誰を)+時量詞
例を挙げますね。
我等五分钟巴士
私はバスを五分間待ちます
上記の文はオッケーですが、下記の文は間違いになります
我等五分钟你
私はあなたを五分間待ちます
どうして上記の文は間違いなのでしょうか?
目的語「あなた(你)」は人称代名詞なので、「五分間(五分钟)」という時量詞は“目的語の後”に置かなければならないからです。
正しい文はこのようになります。
我等你五分钟
私はあなたと五分間待ちます
ここまで、時量詞を動詞の直後に置けず、目的語の後に置かなくてはいけないケースを解説してきました。
慣れないうちは戸惑うと思いますが、私は簡単に
「目的語が場所、もしくは人称代名詞のときは、時量詞は目的語の後ろに置く」
とだけ覚えています。
今回の記事は以上となります。
この記事の内容を総括しましょう。
- 中国語で、時間を表す言い方は時間詞と時量詞に区別する
- 時間詞:時間の点、時刻を表す
- 時量詞:時間の長さを表す
- 時間詞は主語の前後、時量詞は動詞の後に置かれる
- 目的語が場所、もしくは人称代名詞のときのみ、時量詞は目的語の後ろに置く
慣れるまでは難しく感じるかもしれませんが、慣れてしまえばほとんど間違いなく使いこなせます。
時間の言い方で迷っている方は、是非今回の記事を参考にしてみてください。
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