今回は、中国語の文法についての記事です。
「中国語の文法が難しくて全然理解できないし、文章も作れない」
「中国語の文法を理解するコツを知りたい!」
こんなお悩みはありませんか?
この記事では、私が意識している“中国語の文法を簡単に理解するコツ”をご紹介します。
- 文法の式をひとつ覚えれば、初級の文章はだいたい解決できる
- 中国語の文は4つの階層に別れ、下層がひとつ上の層の入れ子になっている
私は2012年から中国語を勉強してきましたが、文法は得意でした。
中検やHSKの並べ替え問題も高得点を取れていましたし、北京留学中は、作文の授業の先生に本当は中国人じゃないかと思われたこともあります。
私は生まれも育ちも日本です。
どうして文法が得意になったかを考えてみると、中国語学習の初期の段階で、中国語の文法を理解するコツを掴めたのが大きかったと思ってます。
中国語の文法を簡単に理解する方法
私は中国語の文法を「数学の公式」のように考えています。
こうすることによって、一目で中国語文法の全体像を把握することができ、理解しやすくなるからです。
数学の公式って、決まった「公式」があって、その公式に数字を入れていくことによって計算ができますよね
文法もおなじで、決まった「文法」があって、その文法に単語を入れていくことによって会話や作文ができます
何となくイメージできるでしょうか?
これはイメージの問題ですし、イメージは人によって異なるので、分かりにくいと思われる方もいらっしゃると思います。
「文法の公式」の感覚を掴んでいただけるように、中国語文法の公式をご覧いただければと思います。
中国語文法を式にします
中国語文法の公式は下記の通りです。
中国語の文 = {主語(限定語+中心語)}+{述語(状態語+中心語+補語・アスペクト助詞)}+{目的語(限定語+中心語)}+{語気助詞など}
- 主語:誰が
- 限定語(定語):名詞や代詞、名詞フレーズを修飾する
- 主語の中心語:文の主題を表す
- 述語:どうした
- 状態語(状語):述語の中心語を修飾する
- 述語の中心語:主語に対する記述部分
- 補語・アスペクト助詞:動作、行為、性質、状態などの補助説明
- 目的語:何を
- 限定語(定語):名詞や代詞、名詞フレーズを修飾する
- 目的語の中心語:動作行為の対象
更に詳しい資料を載せておきます。
私が中国語を始めて間もないとき、文法を覚えるために自作したものです。
ほとんどの中国語の文章はこの式で説明可能
上記の式を見ながら単語を並べれば、文法的に正しい中国語の文を作ることができます。
また、それなりに複雑な文章も、上記の式に当てはめて説明することができます。
例を挙げますね。
我想给大家介绍一下我的家乡
訳:(私は)みんなに、私の故郷を紹介したいと思います
このフレーズも、先述の文法の式に当てはめることができます。
文法の式 = {主語(限定語+中心語)}+{述語(状態語+中心語+補語・アスペクト助詞)}+{目的語(限定語+中心語)}+{語気助詞など}
今回の例 = {主語(限定語+“我”)}+{述語(“想给大家”+“介绍”+“一下”)}+{目的語(“我的”+“家乡”)}+{語気助詞など}
こんな感じですね。大体の文章はこの公式で理解することができて、非常に便利です。
中国語文法の公式を理解するコツ
基本的に、中国語の文法は先述の式の通りです。
先述の式を丸暗記していただくだけでも、中国語の文法はある程度理解できるのではないかと思います。
が、中国語の文の構造をもうちょっと深掘りしておくと、中国語の文法に対する理解が深まると思います。
折角なので、ここからは中国語の文法をちょっと深掘りしてみたいと思います。
ちょっとマニアックになりますが、できるかぎり分かりやすく解説します。
中国語の文法は入れ子になっている
中国語の文章って、単語が左から右へ一直線に並んでいるように見えますよね?(横書きの場合)
「単語が左から右へ一直線に並んでいるのが文」この認識は正しいとも言えるし、不十分とも言えると思います
確かに、表面的には左から右へ単語が並んでいるだけに見えます
しかし、本質はもっと複雑です
中国語の文は、列車の車両のように真横にずらっと並んでいるのではなく、
マトリョーシカのように、小さな容器を大きな容器で順番に囲っていく「入れ子」のような構造になっています。
中国語文法の構造【4つの階層に分かれます】
「中国語の文法はいくつかの階層に分かれている」
と考えてみてください。
こう考えると、中国語の文法の本質を理解しやすいと思います。
階層は、上層から順に下記のように分けることができます。
- フレーズ
- 主語、述語、目的語
- それぞれの中心語、限定語、状態語、補語/アスペクト助詞
- 単語
そして、低い階層はそれより高い階層の入れ子になっています。
どのような階層構造になっているかを解説します。
ます、一番上に[フレーズ(文)]があります。
そして、このフレーズの中に、3つの要素が収納されています。
[主語]、[述語]、[目的語]です。
さらに、主語、述語、目的語の中に、更に下層の箱が収納されます。
主語と目的語には2つの要素が、述語には3つの要素が格納されています。
主語と目的語に格納されているのは[限定語]と[中心語]
述語に格納されているのは[状態語]と[中心語]、そして[補語/アスペクト助詞]です。
最後に、限定語、中心語、状態語、補語/アスペクト助詞の箱には、[単語]が入ります。
単語には“タグ”が付いている
単語を箱に入れるのは適当ではいけません。
どの単語がどの箱に入るのかを知るには、それぞれの単語に付いている“タグ”を見ます。
各単語には、最低一つのタグが付いています。
そして、「タグと箱の組み合わせはある程度固定されている」と思ってください。
例えば、「A」というタグは、[主語の中心語]という箱に入りますが、[述語の中心語]に入ることは稀である、といった具合です
タグは属性と言ってもいいかもしれません
このタグのことを、言語学の専門用語では「品詞」といいます
「タグ」、「属性」そして「品詞」、どんな用語を使うにせよ、その種類は下記の通りです。
- 実詞
- 名詞、代名詞、動詞、形容詞、数詞、量詞
- 虚詞
- 副詞、介詞、接続詞、助詞、感嘆詞
どのタグがどの箱に収納できるかはほとんど決まっています。
“横のつながり”よりも“縦のつながり”
いかがでしたか?
それぞれの要素が入れ子になって、中国語の文を構成しているのが分かるのではないでしょうか?
中国語の文を構成する単語は、「列車のように一方からもう一方へ直線的に並ぶわけではなく、それぞれの単語よりも一段階上の階層に属している」と考えられるわけです。
言い換えれば、“横のつながり”よりも“縦のつながり”の方が大事だと言えるかもしれません。
例えば、下記の文章を見てみましょう。
我在咖啡厅喝美式咖啡
訳:私はカフェでコーヒーを飲みます
上記の文章は、左から右へ一直線に繋がっているように見えますよね。
しかし、見方を変えると、下記のように分けることができます。
我
在咖啡厅喝
美式咖啡
なぜでしょうか?
それは、“それぞれの単語が格納されている箱”が明確に異なるからです。
例えば“在”は「介詞」という品詞(属性、或いはタグ)が付いています。
介詞は「状態語」の箱に格納され、状態語は更に「述語」の箱に収納することができます。
一方の“我”には「名詞」というタグが付いています。
これは「主語の中心語」という箱に入り、主語の中心語は「主語」という更に大きな箱に入ります。
つまり、“我”と“在”は表面的に見れば隣り合っていても、それぞれ全く違う箱に入っているわけです。
“横のつながり”よりも“縦のつながり”の方が強いわけですね
言い換えると、中国語の文法は“平面的”ではなく“立体的”だと考えた方が、より本質を理解しやすいかもしれません
今回の記事は以上となります。
- 中国語の文 = {主語(限定語+中心語)}+{述語(状態語+中心語+補語・アスペクト助詞)}+{目的語(限定語+中心語)}+{語気助詞など}
- 中国語の文は一直線の横並びと言うよりは、縦にも長い階層構造になっている
- 低い階層の要素は、それよりひとつ高い階層の入れ子になっている
最後はちょっとマニアックになってしまいましたが、「中国語の文法が苦手」という方のお役に立てれば幸いです。
それでは、最後までご覧いただきましてありがとうございました!
コメント