今回は、HSKKってどんな試験なのか?ということを記事にしたいと思います。
「HSKKって何?」
「HSKKって受けた方がいいの?」
「HSKKを受けてみたいけど、どのレベルから始めたらいいの?勉強法は?」
という疑問にお答えできればと思います。
HSKKはかなりおすすめの資格なので、この機会にHSKKのことを知っていただけると幸いです。
HSKKってどんな資格?
HSKKとは「漢語水平口語考試(Hànyǔ Shuǐpíng Kǒuyǔ Kǒushì)」のことです。
「中国語を話す能力」を測定する試験です。
中国語の資格というとHSKや中国語検定が有名ですが、それらとHSKKとの違いは下記の通り。
- 中国語検定:中国語の基礎知識(文法と単語)を測る
- HSK:中国語のリスニングや速読力を測る
- HSKK:中国語を話す能力を測る
解答は、質問に対して口頭で解答し、用意されている録音機器に録音する形式となります。
HSKKの各級のレベル
HSKKのレベルは下記の通り、初級・中級・高級に分かれています。
引用:HSK日本実施委員会
それぞれのレベルの詳細は、HSK日本実施委員会の公式サイト で詳しく紹介されています。
HSKのレベルに照らし合わせると?
HSKKのレベルは初級・中級・高級に分かれています。
HSKKのレベルをイメージしやすいように、HSKKとHSKのレベルを対照させてみました。
「目安となる語彙力」を比較すると?
「目安となる語彙力」を基にしてHSKKとHSKのレベルを照らし合わせてみると、下記のようになります。
語彙力の目安 |
HSKK |
HSK |
150語 |
1級 |
|
200語 |
初級 |
|
300語 |
2級 |
|
600語 |
3級 |
|
900語 |
中級 |
|
1200語 |
4級 |
|
2500語 |
5級 |
|
3000語 |
高級 |
|
5000語 |
6級 |
しかし、上記の対照表は正確ではありません。
語彙力だけを基準にした上記の対照表では、HSKKの難易度が低めに見積もられています。
僕はHSK6級を取得してからHSKK中級を受けましたが、難しく感じました。
その理由は、上記の対照表が「目安となる語彙力」だけをを基準にしているからだと思います。
実際は、日本人にとっては「中国語の聞き読み」よりも「中国語を話す」ほうが難しく、HSKKの体感の難易度は、上記の対照表よりも高いと思います。
HSKKの実際の難易度をまとめてみました
HSK日本実施委員会の公式サイト、そして僕の受験体験も踏まえて、HSKKとHSKのレベルを比較してみました。
HSKK |
HSK |
1級 |
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初級 |
2級~3級 |
4級 |
|
中級 |
|
5級 |
|
6級 |
|
高級 |
漢字がわかる日本人にとって、聞き読みを問われるHSKは比較的易しく、会話力を問われるHSKKは比較的難しく感じると思います。
ただ、HSKKとHSKはかなり性質が違うので、比較簡単に比較することはできません。
試験内容や問題内容が全く違います。
HSKKは「発音の良さ」や「流暢さ」も問われます。
例えHSK5級や6級を持っていても、発音や流暢さに問題があればHSKK取得は難しくなります。
HSKKを受験してみよう!
HSKKは個人的にとてもおすすめの資格です。その理由は下記の2つ。
- 中国語の会話力の証明になる
- HSKKを通して会話力を鍛えられる
中国語の会話力の証明になる
HSKKは中国語の会話力の証明になります。
HSKと異なり、純粋に「口頭での会話力」が問われる試験だからです。
HSKは会話力を問われないため、漢字がわかる日本人にとっては受けやすい一方、「HSKの上の級を取得できたけど、会話ができない」となりがちです。
そんな日本人だからこそ、「中国語で会話できる」というのはとても重要な技能です。
その点、HSKKは正に「中国語の会話力」の証明。
読み書きの技能に比べて会話力が二の次になりがちな日本人だからこそ、目指すべき資格であると思います。
HSKとHSKKを併用しよう
日本人学習者におすすめなのは、「HSK」と「HSKK」を併用することです。
「聞く・話す・読む・書く」の4技能を網羅していることの証明になるからです。
- HSK:「聞く・読む・書く」の技能の証明
- HSKK:「話す」技能の証明
HSKとHSKKは同時受験が可能です。
HSKを受ける際に、HSKKも同時に受けてみてもいいと思います。
HSKKを通して会話力を鍛えられる
HSKKを通して、会話力を鍛えることができます。
HSKKに合格するためには、会話力の強化は欠かせません。
HSKや中国語検定は会話力を問われないため、試験勉強においても会話力は二の次になりがちです。
一方のHSKKは会話力が必須なため、試験勉強の過程で会話力を自然と鍛えられます。
「普段は中国語を話す機会がない」という場合も、「会話練習のきっかけを作る」という意味でHSKKに挑戦するのもありだと思います。
HSKKのおすすめの勉強法
記事の最後に、HSKKの勉強法をご紹介します。
HSKKに向けては、HSKや中国語検定とは異なったアプローチが必要です。
下記の通りです。
- HSKKの過去問を参考にする
- シャドーイングをする
- 暗唱をする
- 日頃から中国語を話す練習を積み重ねる
詳しく解説していきますね。
HSKKの過去問を参考にする
HSKKは過去問が出版されており、とても有用です。
HSKKの過去問を使う狙いは下記の2点です。
- HSKKの問題内容を理解すること
- HSKKの解答のこつを掴むこと
HSKKは会話力の試験なので、HSKや中国語検定とは問題内容が全く違います。
そのため、HSKKの試験の「段取り」や「問題内容」を事前に把握しておくといいと思います。
また、HSKKの解答のこつを掴んでおくことも大事です。
HSKKの過去問の模範解答を見て、「どうやって解答すればいいのか?」を知っておくといいと思います。
僕のおすすめは、「模範解答を暗記してしまうこと」です。
問題内容や解答のこつをまとめて一気に知ることができます。
文法や単語といった中国語の知識も身に付きます。
HSKKの公式過去問集が出版されているので、それを使うといいかもしれません。
HSKKの各級(初級・中級・高級)の過去問が、それぞれ5回分ずつ収録されています。
シャドーイングをする
シャドーイングは会話力を鍛えるのに効果的です。
HSKKは会話力の試験であり、HSKKの試験勉強とはつまり「会話力を鍛えること」に尽きます。
会話力を鍛えるのに有効なシャドーイングは、HSKKの試験勉強としても当然有効です。
シャドーイングとは「聞こえてくる中国語の音声を、聞こえたままに発声する」という勉強法です。
- 音源付きの参考書を用意する
- 参考書を見ながら、音声を最初から最後まで聞く
- 参考書を見ながら音読する
- 参考書を見ながら、1文ごとにシャドーイングする
- 参考書を見ないで、1文ごとにシャドーイングする
僕のおすすめは、HSKKの過去問を使ってシャドーイングすることです。
会話力を鍛えられるだけでなく、HSKKの問題内容や解答のこつを掴むこともできて一石二鳥だと思います。
暗唱する
シャドーイングと並んで会話力強化に有効なのが「暗唱」です。
暗唱は、「中国語の文を暗記して、暗記した文を何も見ないで発声する」という練習法です。
- 音源付きの参考書を用意する
- 参考書を見ながら音読する
- スマホのボイスレコーダーを起動する
- 参考書を見ないで暗唱する。暗唱の音声はスマホに録音する
- 参考書を見ながら録音したものを聞く
- お手本の音声と暗唱の録音を聞き比べる
暗唱もシャドーイングと同じく、HSKKの過去問を使うのがおすすめです。
シャドーイングと暗唱、どっちが効果的?
シャドーイングと暗唱に共通しているのは、「とても効果的な会話の練習法」ということです。
一方、シャドーイングと暗唱は「鍛えられる能力の種類」が若干異なります。
- シャドーイング:「発音」や「流暢さ」を鍛えられる
- 暗唱:「自力で文を組み立てて発話する能力」を鍛えられる
「シャドーイングと暗唱のどちらを優先的に取り組むか?」を考える参考にしていただければと思います。
日頃から中国語を話す機会を作ろう!
HSKKを目指すなら、「日頃から中国語を話す機会を作ること」が大事だと思います。
「話す」という技能は、「聞く」や「読む」といった技能よりも難しいからです。
文法や単語を覚えているだけでは話せません。
逆に発音が得意でも、文法や単語の知識がなければ流暢に話すことはできません。
中国語を話すには、「発音・文法・単語」の基礎知識に加えて、「慣れ」の要素も必要になってきます。
そのため、HSKKを目指すなら、日頃から中国語を話す機会を作って、会話の練習をしておくのがおすすめです。
会話力はとても特殊な技能です。
中国語の会話力は、実際に中国語を話すことによってしか上達しないと思います
「シャドーイングや暗唱を毎日やる」「中国人と話す」等の方法で、日頃から中国語を話す練習を積み重ねておくといいですね。
今回の記事はここまでにしたいと思います。
HSKKは中国語の会話力を問う試験ということで、日本人にとっては難しく、それだけ意味のある試験だと思います。
是非検討してみてください。
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