中国語検定4級の文法「二重目的語」を解説します

モノクロのパズル 文法

中国語検定4級は独学で勉強して取得することができると思っています。が、中には難しい単語や分かりにくい文法があって、「ちょっと誰かに聞きたいな」なんてこともあるかもしれません。私はよくありました。

関連記事:中国語独学おすすめの勉強法【1人でも上達できた4つのステップ】

 

この記事では、そういった「誰かに聞かないと理解しにくいこと」を解説していきたいと思います。取り扱う内容は、私が中国語検定4級の勉強をしていて実際に分からなかったところです。

 

中国語検定4級を目指している方のお役に立てると嬉しいです。

 

今回は“目的語が2つある動詞”の使い方をご紹介したいと思います。

 

目的語が2つある動詞の使い方

基本的には動詞1つにつき目的語が1つ付くのですが、動詞によっては1つの動詞に目的語が2つ付く場合もあります。例えば、

我告诉你这件事情 wǒ gàosu nǐ zhè jiàn shìqíng 

訳:私はこのことをあなたに伝える

この例文でいくと、動詞は「告诉」、目的語は「你」と「这件事情」です。「告诉」という1つの動詞に対して、目的語は「你」と「这件事情」の2つが付いているわけです。

 

このような、目的語と2つとる動詞の文法は下記の通りです。

 

主語
(~は/が)

述語
(~をする)

目的語

目的語1
(~に)

目的語2
(~を)

 

先ほどの例文を文法に当てはめてみましょう。このようになります。

主語
(~は/が)

述語
(~をする)

目的語

目的語1
(~に)

目的語2
(~を)

告诉

这件事情

 

他の例も見てみましょう。

 

谁教留学生汉语? shéi jiāo liúxuéshēng hànyǔ 

誰が留学生中国語を教えますか?

 

你能不能教我们汉语? nǐ néngbùnéng jiāo wǒmen hànyǔ 

私たち中国語を教えられますか?

 

我给两本书了 wǒ gěi tā liǎng běn shū le 

二冊の本をあげました

 

我们历史的老师姓林 jiāo wǒmen lìshǐ de lǎoshī xìng lín 

私たち歴史を教える先生は林先生といいます

 

目的語を2つとる動詞のポイント

目的語を2つとる動詞の使い方のポイントをまとめてみました。

 

目的語を2つとる動詞のポイント
  1. 目的語の場所は動詞の後ろ
  2. 目的語の順番は「~に…を」になる

 

この2つになるんじゃないかと思います。私が中国語検定4級の勉強をしていた当時は上記の2点を理解するのに時間がかかりました。

 

目的語は2つとも動詞の後に置く

中国語の文法では、目的語は述語(動詞)の後ろに置きます。目的語が2つあったら、2つ共動詞の後ろに並べて置きます。

 

主語
(~は/が)

述語
(~をする)

目的語

目的語1
(~に)

目的語2
(~を)

老师

我们

汉语

 

そうすると「名詞が2つ連続して並ぶのは文法的におかしいじゃないか」と思いませんか?中国語検定4級の準備をしていた2012年当時の私は思ってました。が、実はおかしくないんです。

 

目的語は「~に」「~を」の順番になる

もう一つの注意点としては、“2つの目的語の順番”だと思います。文法的には、2つの目的語の順番は、先に“動作の対象”、後に“動作が及ぶ物事”です。

 

日本語と対照させてみる

説明されても分かりにくいですよね。これは日本語と対照させてみた方が分かりやすくなると思います。

 

“動作の対象”は一般的に日本語の「~に」で表されることです。例えば、

  • あなたに中国語を教える
  • 彼にこのことを伝える
  • 彼女にプレゼントをあげる

これらの文章の「あなた」「彼」「彼女」が動作の対象に当たります。

 

一方の“動作が及ぶ物事”は、一般的に日本語の「~を」で表されます。例文を見てみましょう。

  • あなたに中国語を教える
  • 彼にこのことを伝える
  • 彼女にプレゼントをあげる

これらの文章の中の「中国語」「このこと」「プレゼント」が動作の及ぶ物事に当たります。

 

これを踏まえて、改めて中国語の語順を見てみましょう。中国語の語順は、

動作の対象 + 動作の及ぶ物事

です。2つの目的語の順番で迷ったら日本語で考えれば大丈夫です。日本語の「~に」で表されるものが前、「~を」で表されるものが後ろになります。主語と述語(動詞)も加えると、このようになります。

主語 + 述語(動詞) + 動作の対象 + 動作の及ぶ物事

 

日本語は「~を…に」でもOK、中国語はNG

日本語は下記の文章はどちらも正しいですよね。

  • 私はあなた中国語を教える(~に…を) ← OK
  • 私は中国語あなたに教える(…を~に) ← OK

が、中国語はちょっと違います。下記の例を見てみましょう。

  • 我教汉语(~に…を) ← OK
  • 我教汉语(…を~に) ← NG

 

こんな感じで、中国語で目的語が2つある場合、2つの目的語の順番は決まっています。日本語のように「~に」と「…を」は前後どちらでもいいわけではありませんので注意が必要だと思います。

 

中国語は日本語の「~に」や「~を」「~が」みたいな助詞がありませんので、語順のみを頼りに文章を構成していきます。その分、語順がちょっとでも間違うと文章自体が意味の通らないものになってしまう可能性があります。

まとめ

今回の内容をまとめましょう。目的語を2つとれる動詞の場合、語順は下記の通りになります。

 

文法

主語
(~は/が)

述語
(~をする)

目的語

目的語1
(~に)

目的語2
(~を)

例1

汉语

例2

两本书

例3

能不能教

上节课的作业

 

目的語が2つある動詞一覧

目的語を2つとる動詞をまとめました。

 

目的語を2つとる常用動詞
  • 称 chēng(呼ぶ)

研究者称它活化石 yánjiūzhě chēng tā huóhuàshí

研究者はそれを生きた化石と呼ぶ

  • 告诉 gào su(伝える)

我告诉你一件事情 wǒ gàosu nǐ yī jiàn shìqíng

あなたにこのことを伝える

  • 给 gěi(あげる)

我给你一本书 wǒ gěi nǐ yī běn shū

あなたに本をあげる

  • 还 huán(返却する)

我还你这本书 wǒ huán nǐ zhè běn shū

あなたにこの本を返す

  • 交 jiāo(提出する)

我交老师今天的作业 wǒ jiāo lǎoshī jīntiān de zuòyè

先生に今日の宿題を提出する

  • 教 jiāo(教える)

老师教我们历史 lǎoshī jiāo wǒmen lìshǐ

先生は私たちに歴史を教える

  • 叫 jiào(呼ぶ)

朋友叫我老王 péngyǒu jiào wǒ lǎo wáng

友だちは私のことを王さんと呼ぶ

  • 借 jiè(借りる)

我借你几块钱 wǒ jiè nǐ jǐ kuài qián

あなたからいくらかお金を借りる

  • 收 shōu(代金を受け取る)

收您一百块钱 shōu nín yī bǎi kuài qián

100元頂戴いたします

  • 送 sòng(送る)

我送你礼物 wǒ sòng nǐ lǐwù

あなたにプレゼントを贈る

  • 通知 tōng zhī(知らせる)

老师通知我们考试的内容 lǎoshī tōngzhī wǒmen kǎoshì de nèiróng

先生は私たちに試験の内容を知らせる

  • 问 wèn(聞く、尋ねる)

我问你一个问题 wǒ wèn nǐ yī ge wèntí

あなたに一つ質問する

  • 找 zhǎo(お釣りを返す)

找您五十块钱 zhǎo nín wǔ shí kuài qián

50元お返しいたします

 

今回は目的語を2つとる文法をご紹介してきました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました