今回は
HSK4級を4ヶ月で習得した私の勉強法
をご紹介します。
HSK4級まで来ると、履歴書には十分書けるレベルです。
実際、HSK4級を取得してから中国のインターンシップに参加したことがあるのですが、HSK4級の成績を評価してくれたようです。
もちろん相手によって違うと思うので、一概には言えません。
が、中国語能力の証明として、HSK4級が十分な説得力を持っているのは確かだと思います。
しかし、HSK4級は簡単な試験ではありません。
「中国語を短期間で習得したい!」
「人にアピールできるのはHSK4級からだって言うし、短期間でささっと取りたいけど、そんなに上手くいくのかな?」
という悩みに、私の視点から答えていきたいと思います。
- HSK4級は実力証明としておすすめだが難易度もそれなりに高く、リスニングと作文は対策が必要
- ゼロから4ヶ月でHSK4級に合格した方法は「基礎知識の習得に2ヶ月弱(中検4級レベル)→ HSK4級の過去問を2ヶ月」というもの
私は勉強法や対策を工夫していった結果、4ヶ月という比較的短期間で一発合格することができています。
この記事では、私が4ヶ月でHSK4級を取得した方法をご紹介します。
HSK4級の概要
まずはHSK4級のレベルを確認しておきましょう。
HSK4級のレベルは“中国語の応用力”
中国語ができるということを証明するのであれば、まずはHSK4級を取得するといいと言われています。
HSK3級以下のレベルだと、目的にもよりますが、中国語力を証明するには若干物足りないからです。
HSKの公式サイトによると、HSK4級のレベルの目安は、“幅広い話題において、中国語でコミュニケーションがとれる”こと。
HSK4級は、受験生の 日常中国語の応用能力 を判定するテストです。
「幅広い範囲にわたる話題について、中国語でコミュニケーションをすることができ、中国語を母語とする者と流ちょうに話すことができる」ことが求められます。引用:HSK公式サイト
上記の通りで、HSK4級を持っていれば、「私は中国語が話せます」と言ったときにも説得力が出てきます。
中国語力を誰かにアピールしたいときや中国へ留学したいときは、「中国語が話せますよ」という言葉だけでなく、具体的な成果を見せるといいと思います
そうなった時に、HSK4級は「具体的な成果」として申し分ありません
HSK4級のポイントは「リスニング」と「作文」
HSK4級は決して簡単な資格ではありません。
特に、リスニングと作文のパートは難しいです。
リスニングと作文、それぞれの難点をまとめてみました。
- 中国語の問題文の読まれるスピードが速い
- 問題文が一度しか読まれない
リスニングは、なかなかのスピードで読まれる中国語を一度聴いて理解しなければいけない、ということです。
- 文法的に正確な文章を“自力で”作らないといけない
作文のパートは並べ替え問題が10問と、問題用紙に印刷された写真を見て、その内容に適切な文章を作る問題が5問出題されます。
とにかく正確な文章を作らなければいけないわけで、語彙力と正確な文法知識は必須です。
HSK4級の取得に向けてカギになるのは「リスニングと作文のところでどれだけ得点を伸ばせるか」だと思います
そのためには、
「単語約1,200個」及び「全ての文法事項」を基礎知識としてしっかり定着させて、リスニングと作文のスキルを鍛えていく
ようにします
4ヶ月でHSK4級に合格した方法
それでは、4ヶ月でHSK4級に合格した具体的な勉強法をご紹介します。
- 2ヶ月で基礎を身につける(中国語検定4級、HSK3級レベル)
- HSK4級の過去問を繰り返し解く
- リスニングと作文のスキルを強化する
- リスニングは問題集を使って強化
- 作文は日頃から継続的に練習
詳しくご紹介します。
【1日あたりの勉強時間について】2019/11/28追記
中国語学習に取れる時間は人によって異なると思いますが、できれば頑張って1日2~3時間ぐらいを中国語に充てられるといいと思います。
毎日きっちり2、3時間取れなくても、週末などの比較的時間のあるときに5~6時間頑張れれば、平日は1~2時間しか時間を取れなくても1日平均2時間はクリアできます。
スキマ時間を使うなどの工夫をするのもいいと思います。
1.最初の2ヶ月で基礎を身に付ける
私はゼロから中国語を始めて1.5ヶ月で、中国語検定4級レベルに到達しました。
この経験から、HSK4級を4ヶ月で取得するなら、「まずは中国語を始めて2ヶ月前後で、中国語検定4級レベルを目指す」これがおすすめです。
HSK4級を取るのに、どうして中国語検定4級なのでしょうか?
私が中国語検定4級をおすすめする理由は、中国語検定4級の準備を進めることで、
全ての文法事項をマスターすることができ、
日本人学習者が間違えやすいところを重点的に鍛えることができる
からです
そして、中国語検定4級レベルに到達できれば、中国語の文法事項をマスターし、基礎を身に付けたことになると思っています。
大事なのは、中国語検定4級を最終的な目標にするのではなく、HSK4級を目指すためのスタートラインにすることです。
中国語検定4級からスタートするメリットは以下の記事でも解説しています。
中国語検定4級を利用して基礎を身に付ける
中国語検定4級のレベルは下記の通りです。
中国語の基礎をマスター
平易な中国語を聞き,話すことができること。
(学習時間120~200時間。一般大学の第二外国語における第一年度履修程度。)
発音(ピンイン表記)及び単語の意味,常用語500~1,000による単文の日本語訳・中国語訳。
先ほど「HSK4級を狙うなら、単語約1,200個と全ての文法事項を覚えましょう」という話をしましたね。
このうち「全ての文法事項」に関しては、中国語検定4級を目指して勉強していれば自然と覚えられます。
中国語検定4級レベルに到達するには、文法事項を一通り知っておく必要があるためです。
時間的にも、中国語検定4級であれば、2ヶ月前後で取得可能だと思います。
私が2ヶ月弱で中国語検定4級に合格した勉強法は下記の記事で紹介しています。
2.HSK4級の過去問を繰り返し解く
中国語検定4級レベルまで到達したら、今度はHSK4級の過去問を解いていきます。
HSK4級のベストな勉強法は、過去問を正しい方法で繰り返し解くことだと思っています。
私もHSK4級対策は過去問をメインでずっとやっていましたが、本番は問題なく合格することができました。
私が意識したのは、「過去問を“1回解いたら終わり”にしないで、何回も繰り返し解くこと」です
繰り返し解くことによって復習ができるので、単語や文法等の知識を増やせましたし、効果的にスキルアップすることができました
HSK4級に合格することも大事ですが、一番大事なのは中国語力を向上させることです。
必ず過去問を繰り返し解いて、総合的な中国語力を向上させていくのがおすすめです。
3.リスニングを重点的に強化
HSK4級を目指すなら、リスニングと作文の対策は必須になってきます。
リスニングと作文は難易度が高く、対策していないと非常に難しいと思います。
まずはリスニングから見ていきましょう。
リスニングの難点は、
- 中国語の問題文の読まれるスピードが速いこと
- 一度しか読まれないこと
この2点でしたね。
これを克服するために、リスニングの過去問にできるだけ多くの時間を使って、読まれる速さに慣れておくといいです。
リスニングはとにかく聞いて慣れる
HSK4級のリスニングで高得点を取るなら、リスニングの音声をとにかく繰り返し聞くのがおすすめです。
私もHSK4級前はリスニングに壁を感じていたので、過去問の音声を何度も繰り返し聞きました。
私のHSK4級対策の時間配分は、
リスニングが7割、読解と作文が残りの3割
くらいにしていました
リスニングの対策に時間を使ったことで、それだけリスニングもできるようになりました
「公式過去問集には過去問が5回分しか収録されてないけど?」という場合は、HSK4級のリスニングのトレーニングブックなど、他の教材を活用するのがおすすめです。
『新HSK 10回合格模試 4級』
HSK4級の模擬試験が10回分収録されています。
『新HSK4級 トレーニングブック リスニング問題篇』
リスニングに特化した問題集です。全ての問題に丁寧な解説が付いているのもポイントです。
『耳を鍛えて合格!HSK4級リスニングドリル』
HSK4級のリスニングの模擬問題集です。HSK4級の模擬試験から読解と作文のパートを省いたものとも言えます。「リスニングをもうちょっと鍛えたいけど、新しい模擬問題を買うほどじゃない」という方におすすめです。
HSK4級のリスニング対策についてもっと知りたい方は、以下の記事へどうぞ。
4.作文は日頃から継続的に練習
一方の作文に関しては、HSK4級のためにというよりは、日常的に文章を作る練習をするようにしていました。
文章力を高めるにはそれが一番効果的だと思ったからです。
中国語で文字チャットするか、日記を書いてみよう
文章力を鍛える練習の一環として、中国人と文字でチャットをしていました。
「文章を作って書く」という作業の最高の練習になりました。
当時の履歴を見返したら間違いだらけで恥ずかしくなりましたが、それだけ文章力が鍛えられたと思います。
そんなに都合よく相手を見つけられない場合は、中国語で日記を書くのもいいと思います。
難しく考えないで、その日起こったことを簡単な中国語でもいいので書いてみましょう。
日記の書き方や例文、フォーマットは以下の記事で紹介しています。
チャットや日記の良いところは、忙しくても毎日続けられることだと思います。
とにかく毎日続けて数をこなしていくことで、自然と文章を書くのに慣れることができます。
中国語の文法事項を押さえておく
中国語の作文を書くには、文法事項を押さえていることが必須です。
ただ、HSK4級の作文は、そこまで複雑な文章を書かなければいけないわけではありません。
基本的な「SVO」構造の文章に、必要に応じて時間詞や時量詞、介詞を使っていくような感じで大丈夫です。
文法事項に関してもいくつか記事を書いているので、興味があればどうぞ。
今回の記事は以上となります。
今回は、ゼロからスタートして4ヶ月でHSK4級を狙う方法を紹介しました。
- HSK4級は中国語を使えることの証明になる
- HSK4級のポイントは、基本的な語彙力と文法、そしてリスニングと作文のスキル
- 4ヶ月でHSK4級に合格する方法
- 最初の2ヶ月で基礎を身につける、できれば中国語検定4級を取る
- 中検4級を取ったら、HSK4級の過去問を繰り返し解く
- リスニングは、音声を繰り返し聞くことで慣れる
- 作文は、常日頃から中国語の文章を書く機会を作る
HSK3級しかないのと4級まで持っているのとでは、見え方も全然違います。
是非今回の記事を参考にして、HSK4級まで一気に取れるように頑張りましょう!
「HSK4級を狙ってみよう!」という気になったら、さっそく勉強を始めてみましょう。
以下の記事でHSK4級の参考書をご紹介していますので、もし興味があればこちらもどうぞ。
コメント
HSK4級を0から目指そうとしているので大変参考になります。4ヶ月といっても、1日何時間くらい学習するかによると思うのですが、どれくらい中国語学習に時間を取りましたか?
ありがとうございます。おっしゃる通りで、とても大事な情報が抜けておりました……1日あたりの学習時間は平均2~3時間くらいでした。
大学の授業やバイトとの兼ね合いで、だいたい週4で1日1~2時間、週3で4~5時間ぐらいを中国語学習に充てていたように記憶しております。そうなると1週間の学習時間は約16~23時間、1日あたりの平均に直すと約2~3時間になります。ご参考になれば幸いです。
ありがとうございます!だいたい350時間くらいですね。やはりそれくらいかかるもんなんですね。。。
他の中国語学習者のブログでは100時間未満で合格した、というような記述も見られましたので、それくらいでいけるのか!と思ってました。こちらのブログではかなり具体的に書かれているので、現実的な気がします。
点数や手応えはどうでしたか?それによっても意味合いが変わってくると思うのですが。
100時間未満で合格することも不可能ではないかもしれませんが、私は350時間ほどかかりましたし、私が責任を持って「100時間未満でも合格できる」とは言えないのが正直なところです……
点数は265点(リスニング90点、リーディング90点、ライティング85点)で、試験中も手応えはありました。試験後は合格するかどうかよりもどれだけの点数を取れたのかが気になっていた記憶があります。
HSK4級は180点を越えれば合格になるので、180点ギリギリを狙うのであればもう少し短い時間でいけるかもしれません。例えば、中国語検定4級レベルまで行くのに2ヶ月は必要だとしても、その後HSK4級の過去問を解く段階を2ヶ月→1ヶ月ほどに短縮することもできるのかな?と思います。そうすると合計3ヶ月、時間に直すと約250時間です。4ヶ月勉強した私が比較的余裕を持って合格したことから、ギリギリの合格なら3ヶ月でもいいんじゃないかというだけで根拠はほとんどありません。実際に試したわけではなくあくまでもこういう考え方もできるというだけで、確固たる自信を持って言えないのが正直なところではあります。
265点ですと大分余裕で合格している感じですね。
>そうすると合計3ヶ月、時間に直すと約250時間です。
試験対策に短縮しても250時間というと、100時間というのはちょっとありえなそうですね。
ありがとうございました。計画の参考にさせていただきます!
すみません、追加で一つ質問です。4級の1200語の「単語」はどうやって勉強されましたか?教科書ややり方を教えていただければありがたいです!
単語に関しては、「HSK4級の過去問を解いて、そのときに遭遇した新しい単語を調べてノートにメモする」という方法で勉強していました。そのため、教科書は4級の過去問、その他のツールとしては辞書とノートを使いました。
例えば「過去問の第1回を解く → 単語を調べてノートにメモする → 過去問の第1回を再度解く」というやり方になります。同じ問題を何度も解くことで単語も自然と覚えられました。過去問を解くことで試験の形式に慣れつつ単語も覚えられたので効率は良かったと思います。このやり方だと4級の単語1,200語を全て覚えるのは無理ですが、それは単語帳を使ったとしても難しいことだと思いますので、それなら「過去問を解くついでに単語も覚える」くらいがいいのかなという感じです。元々私は問題を解くのが好きだったので、私の性格との相性という意味でも丁度良かったと思います。
とても納得しました。文脈の中で出会わないと記憶するの難しいですからね。ご丁寧な解説、ありがとうございました。