中国語の並べ替えのコツ【HSK/中検対策に役立つ】

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今回は、中国語の語順並べ替えについての記事です。

 

HSKや中国語検定のレベルが上がってくると、語順並べ替えの問題が出題されるようになります。バラバラになった単語やフレーズを並べ替えて正しい文章を作る問題です。

 

バラバラの単語やフレーズを組み合わせて文章を作るのって意外と難しいんですよね。

 

この記事では、中国語の並べ替えが難しく感じて、HSKや中国語検定の並べ替え問題も思ったように点数が取れない…並べ替えを攻略するためのコツはないのかな?」という疑問に、HSK6級、中国語検定準1級の私がお答えしたいと思います。

 

◆この記事の主張

 1.中国語の語順並べ替えに挑む前に文法を理解しておきたい。

 2.語順並べ替えの3ステップは「意味推測 → 中心語で土台を作る → 修飾語を追加する」。

 

私は今回紹介する方法で過去に結果を出せていて、HSK4級と5級の並べ替え問題はほとんど正解できていました。

 

中国語並べ替えのための文法整理

鉛筆で書いたパズル

並べ替えを攻略するために、まずは文法知識を強化するのがおすすめです。

 

並べ替えとは、言い換えれば“単語というパーツを、文法というルールに沿って並べるゲーム”とも言えます。文法というルールを理解していることは前提で、その理解が不十分だと単語というパーツを並べる順番の手掛かりも掴めません。

 

文法が曖昧なまま並び替えに挑戦するのは、野球のルールを知らないまま野球の試合に出るのと同じようなものです。何をすればいいのかが分かっても、どうすればいいのかが分からないのです。

 

というわけで、中国語の文法をまとめました。

 

中国語の文章は“主語”“述語”“目的語”の3要素からなっていて、主語と目的語は“限定語”“中心語”から、述語は“状態語”と中心語、そして“補語及びアスペクト助詞”からなっています。

 

文章
主語 述語 目的語 語気助動など
限定語 中心語 状態語 中心語 補語/アスペクト助詞 限定語 中心語  

 

大事だと思うところを解説していきますね。

 

文章は「主語・述語・目的語」で構成される

中国語の文章は、主語・述語・目的語の3要素から成っていることが大半です。主語は“誰が”、述語は“どうしたか”、目的語は“何を”を表しています。

 

文章
主語
(誰が)
述語
(どうした)
目的語
(何を)
語気助動など
限定語 中心語 状態語 中心語 補語/アスペクト助詞 限定語 中心語  

 

例えば、下記の文章を見てみてください。

 

 ・私は映画を見ます。 

  我 看 电影。

 

この文章でいくと、主語は「我」、述語は「看」、目的語は「电影」となります。中国語と日本語を比べると、中国語の文法は述語と目的語が日本語と逆になっているので注意です。

 

つまり、日本語なら「Aを+Bする」と言うところを、中国語は「Bする+Aを」と言います。先ほどの例でいくと、日本語は「映画を+見る」ですが、中国語は「看(見る)+电影(映画)」です。中国語はこれで「映画を見る」の意味になります。

 

「主語・述語・目的語」を構成する4つの要素

主語、述語、目的語は必ずしも単語一つだけとは限らず、複数の単語やフレーズから構成されていることがあります。主語、述語、目的語を構成している要素を、役割別に“中心語”、“限定語”、“状態語”、“補語/アスペクト助詞”等といいます。

 

文章
主語
(誰が)
述語
(どうした)
目的語
(何を)
語気助動など
限定語 中心語 状態語 中心語 補語/アスペクト助詞 限定語 中心語  

 

ひとつずつ見ていきましょう。

 

中心語:「主語・述語・目的語」の中心になる

中心語というのは、主語・述語・目的語それぞれの中心にあって、様々な修飾詞に修飾される単語のことです。主語・述語・目的語のそれぞれを一言で表す時の単語とも言えます。

 

ちょっと分かりにくいと思いますので、例を挙げますね。下記のような文章があるとします。

 

 ・私の友人はしょっちゅう中国映画を見ます。 

  我 的 朋友 经常 中国 的 电影

 

この文章の中の「我的朋友」というフレーズでいくと、「我的」は限定語、「朋友」は中心語になります。「中国的电影」「中国的」も限定語、「电影」は中心語ですね。

 

限定語:名詞に属性を付加する

限定語というのは、名詞に属性を付加する単語やフレーズのことです。

 

例えば「中国的电影(中国の映画)」という例でいくと、まず「电影(映画)」が中心語になります。

 

「中国的(中国の)」は限定語となり、この「电影(映画)」に属性を付加しています。「日本やアメリカのではなく、“中国の”映画」という属性を付加することによって、「映画」の表す意味が限定されるので「限定語」といいます。

 

「我的朋友」「我的」も限定語です。

 

状態語:動作の様子や程度を表す

状態語というのは、動詞を修飾してその動作の様子や程度等を表す単語やフレーズのことです。

 

例えば、「经常看(しょっちゅう見る)」の例でいくと、「看(見る)」が中心語です。「经常(しょっちゅう)」は状態語となり、「看(見る)」という動詞の状態(頻度)を説明しています。

 

こういった単語やフレーズは動作の状態を説明するので「状態語」と呼ばれます。

 

補語:動作の補足説明をする

補語は、動詞の後について動詞の補足説明をする成分のことです。補語には様々な種類があります。

 

 ◆様態補語・程度補語

  ・動作の様態や程度を表す 

  ・例)他 字 写 得 好看


 ◆数量補語

  ・動作の回数や時間量、程度の差異を表す 

  ・例)我 学 了 七 年 汉语。


 ◆結果補語

  ・動作の結果を補足する 

  ・例)我 看 了。


 ◆可能補語

  ・動作の結果や状態を本当に達成できるかどうかを表す 

  ・例)我 听 得 懂 汉语。


 ◆方向補語

  ・動作の方向、状態の展開方向を表す 

  ・例)这 本 书 你 拿 吧!


それぞれの役割や使い方をしっかり確認しておきましょう。

 

各要素を構成する単語の品詞

最後に、それぞれの要素(主語・述語・目的語・中心語・限定語・状態語・補語)はどのような単語から成り立つのかを確認しておきましょう。

 

文章
主語
(誰が)
述語
(どうした)
目的語
(何を)
語気助動など
限定語 中心語 状態語 中心語 補語/アスペクト助詞 限定語 中心語  
・名詞
・動詞
・動詞フレーズ
・形容詞
・形容詞フレーズ
・名詞
・代名詞
・(動詞)
・(形容詞)
・副詞
・時間詞
・介詞フレーズ
・動詞
・動詞フレーズ
・形容詞
・形容詞フレーズ
・動量詞
・数量詞
・時量詞
・介詞フレーズ
・その他
・名詞
・動詞フレーズ
・形容詞
・動詞フレーズ
・形容詞フレーズ
・名詞
・代名詞
・(動詞)
・(形容詞)
 

 

こんな感じですね。先ほどの図にもまとめてあります。

 

ここで注意点が一つ。ここに挙げた品詞はあくまでも代表的なものであって、絶対ではありません。例外が出てくる可能性もあるので、臨機応変に対応できるようにしておきましょう。

 

以上が、並び替え問題に役立つ事前知識になります。

中国語の語順並び替えの3ステップ

いろんなパズルゲーム

ここからは、私が意識している並び替えのコツを紹介していきます。中国語の並び替えをするときは、下記のステップを踏むことを意識します。

 

  1. 意味を推測する
  2. 主語・述語・目的語の中心語を探す
  3. 修飾語を追加する

 

私はこの順番を意識するようにしてからHSK4級や5級の並び替え問題は全問正解できるようになりましたし、効果的な方法だと考えています。

 

詳しく紹介していきますね。

 

1.バラバラの単語から意味を推測する

まずはバラバラになった単語やフレーズ全てに目を通して、これから作るべき文章の意味を推測します。文章の意味を推測できないと並べ替えようがないからです。中国語の意味と語順は密接に関係しているので、文章の意味がわかると正しい語順を導き出すことも容易になります。

 

例えば、下記のような問題があったとしましょう。

 

 問)次の単語を並べ替えて正しい文章にしなさい。

   表演  观众的  了  赞扬  的  留学生  得到 

 

いかがでしょう、ざっと見て意味を推測できそうですか?語順がバラバラなので意味も推測し難いですよね。

 

このステップでは単語一つひとつの意味だけを頼りに文章の意味を推測するので、語彙力が大事になってきます。ここで難しいと感じたら、まずは語彙力を強化するといいかもしれません。

 

単語の覚え方を知りたい方はこちら。

中国語の単語ノートの作り方と活用法を紹介

中国語の単語の覚え方と役立つツールを紹介

 

2.主語・述語・目的語の中心語を探す

意味を推測できたら、その意味を基に文章を組み立てていきます。文章を組み立てる時はまず、主語・述語・目的語のそれぞれの中心語を探していきます。

 

どうやって中心語を探すのかということですが、私はできる限り少ない単語数で、

  • 誰が
  • 何を
  • どうしたか

を表す文章を作るようにしています。

 

先程の問題を見て、中心語を探してみましょう。

 

 ・表演  观众的  了  赞扬  的  留学生  得到 

 

単語を見る限りだと、この問題は「何かが賞賛された」的な意味の文章になりそうです。

 

 「賞賛される」は中国語で「得到+赞扬」という動詞+名詞(目的語)の形をとります。

 「賞賛される」の主語としてふさわしいのは「(歌や演技、技能等の)発表、演技」を意味する「表演」です。

 

そうすると、中心語はこうなります。

 

 ・表演 得到 赞扬。

  発表が賞賛される。 

 

これで文章の基本はできましたね。

 

3.修飾語を追加する

並べ替え最後のステップです。それぞれの中心語を修飾する「修飾語」を追加していきましょう。中心語と修飾詞の意味をよく考えながら、意味が通る文章になるように修飾詞を追加していきます。

 

先程の問題を見てみましょう。

 

 【中心語のみの文】表演 得到 赞扬

 【余っている単語】观众的  了  的  留学生 

 

余っている単語は全て修飾詞と考えてしまうと分かりやすくなります。余っている単語を使って、中心語を修飾していきます。

 

「观众的(観客の)」は名詞を修飾する限定語ですが、これは意味的に「赞扬(賞賛)」を修飾していますね。

「表演得到观众的赞扬(発表は観客の賞賛を浴びる)」となります。

 

「留学生」は名詞なのでちょっと分かりにくいですが、「的」も余っているので、組み合わせて「留学生的(留学生の)」にしてしまいましょう。これは限定語になり「表演(発表)」を修飾します。

「留学生的表演得到观众的赞扬(留学生の発表は観客の賞賛を浴びる)」となります。

 

あとは「了」だけで、これは動詞の後や文末について、動作の完了や状態の変化を表します。ここでは動作の完了を表すので、動詞の後に置きましょう。

 

 ・留学生 的 表演 得到 了 观众 的 赞扬。 

  留学生の発表は観客の賞賛を浴びた。 

 

これで並べ替えは完了です。

 

ここまで、中国語の語順並び替えのコツを紹介してきました。並び替えが苦手な方は参考にしてみてくださいね。

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