「中国語を使って何かをするような、そんなアウトプットの機会がない」
「中国語を習得したいけど具体的な目標がはっきりしない」
「どこへ向かって進んでいけばいいのか、勉強の方向性が分からない」
「中国語を習得するためのコツを知りたい!」
とお悩みではありませんか?
特に中国語を独学で勉強している方にとっては切実な悩みなんじゃないかと思います。
上記のようなお悩みを解決するためには、中国語検定やHSKなどの検定試験を利用するのが効果的です。
この記事ではその理由を解説します。
更に、中国語検定とHSKのどちらを受けるべきなのかも解説します。
当然良い面もあれば悪い面もあり、中国語検定やHSKにコミットすることの注意点と、その解決策も提案します。
中国語を習得するには中国語検定やHSKを利用するのがおすすめ
中国語を習得するには、中国語検定やHSKなどの検定試験を利用するのがおすすめです。
中国語検定やHSKなどの資格は、持っていれば中国語の能力を証明することができますが、それだけではありません。
検定試験は中国語のレベルアップに利用することもできます。
検定試験を目指すこと自体に意味があります。
中国語検定やHSKの問題を解くことがアウトプットになる
中国語検定やHSKの問題を解くことで、アウトプットの機会を得ることができます。
アウトプットは「出力」のことですよね。
問題を解くことは、
問題を見る → 自分の頭の中にある中国語の知識を活用して問題を解く |
というプロセスを踏みます。
自分が持っている知識を使って問題を解決することは、自分の知識を出力していることになるわけです。
これもまた一種のアウトプットと言えるのではないかと思います。
中国語習得へ向けて、アウトプットは必須
中国語を習得するにはアウトプットが大事で、アウトプットは必須だと言ってもいいと思います。
もちろん語彙力を強化したり文法を覚えたりするようなインプットが基礎になりますが、インプットした知識を使ってアウトプットしていくのも必要です。
アウトプットすることによって、インプットした知識が自分のモノとして運用できるようになりますし、スキルも磨かれていきます。
中国語学習におけるアウトプットは、中国語を使って話すとか、中国語を使って日記を書くということです。
中国語検定やHSKの問題を解くのもアウトプットだと考えています。
インプットした知識を運用して問題を解決していることになるからです。
具体的な目標が明確になる
中国語検定やHSKを利用すると、目標が具体的で明確なものになります。
ちょっと比較してみましょう。
目標が「日常会話ができるようになりたい」だった場合、
◆単語:私たちが日常的に使ってる語彙、ってどれくらいなんだろう? ◆文法:意識したことないから分かんない ◆リスニング:どんな話題の会話を、どの程度聞き取れれば「日常会話」って言えるんだろう? ◆スピーキング:日常的な話題を中国語で話せるようになりたいけど、具体的にどんなことを話したいかって聞かれると、うーん…分かんない |
もうちょっと具体性があるといいですね。
HSKを利用して、HSKを基準にして目標を立てると下記のようになります。
目標が「HSK4級のレベルまで行きたい」だった場合、
◆単語:約1,200語、まずはHSK4級の頻出単語を覚えよう ◆文法:中国語の全ての文法事項を確認しておこう ◆リスニング:HSK4級のリスニング問題をやって、6割以上は正解できるようになろう ◆スピーキング:HSK4級の問題文と同じレベルのことを、自分でも話せるようになろう |
こうなります。
検定試験を利用すると、目標が具体的ではっきりしたものになります。
具体的な目標を定めることの効果
中国語を勉強するときの目標を具体的にすることの効果は、
・途中で投げ出しにくくなる ・勉強の方向性を間違えにくくなる ・客観的な結果によって、目標を達成したかどうかがわかる |
ということです。
具体的な目標を持つことは、暗闇の中に浮かぶ明るい光に向かって進むようなものです。
反対に目標がはっきりしないと、暗闇の中を手探りで進むようなもの。
中国語検定やHSKのような検定試験を利用して、具体的且つ明確な目標を持てるようにしましょう。
検定試験を利用してレベルアップした体験談
私は今まで中国語をずっと勉強してきていて、検定試験は定期的に受けてきました。
特に中国語を始めて最初の1年間は検定試験を中心に勉強していました。
中国語を始めたのが2012年4月末、
同年6月に中国語検定4級、
9月はHSK4級、
12月はHSK5級、
そして翌年4月はHSK6級です。
3ヶ月に一度くらいのペースで検定試験を受けてきたわけですが、受けるたびに進歩があったと思います。
具体的にはこんな感じです。
◆中国語検定4級・・・中国語の基礎をマスターした ◆HSK4級・・・リスニングが得意になった ◆HSK5級・・・ボキャブラリーが増えた(2,500語くらいになった) ◆HSK6級・・・中国人相手に中国語を使って話せるようになった |
なんで検定試験を受けるたびに成長できたのかを考えてみると、やっぱり検定試験に向かって努力したことが大きかったと思います。
例えば中国語検定4級を目指してたときも、「中国語の基礎をマスターしよう!」っていう意識があったわけじゃなく、「中国語検定4級取りたい!」としか考えてなかったと思います。
で、中国語検定4級の過去問をやって、知らない単語を覚えて、分からないところを調べて解決していきました。
そして、中国語検定4級の合格ラインに達していたときには、自然と中国語の基礎をマスターできていました。
HSK4級に関しても同じです。
HSK4級を取るにはリスニングの点数をどうしても上げたかったので、朝から晩までひたすらリスニングの模擬問題を解いてました。
で、気がついたらリスニングが得意になっていました。
中国語検定とHSKのどちらを受ければいいのか?
中国語検定とHSK、どちらを受ければいいのでしょうか?
中国語検定とHSKを比較してみましょう。
中国語検定は日本国内の資格、HSKは世界の資格
中国語検定は日本中国語検定協会が実施しており、日本国内の資格になります。
一方のHSKは中国政府直属の機関である「孔子学院总部/国家汉办」が実施しており、世界的な資格になっています。
また、中国語検定は中国語の知識と翻訳能力を測るための試験で、HSKは実用的な運用能力を測る試験になっています。
中国語検定は日本人学習者向けの資格なので、受験英語のようなイメージがあります。
が、日本人の苦手なところを克服できるというメリットもあり、中国語の習得を目的として中国語検定を受けるのはおすすめです。
HSKは世界中の中国語学習者向けになっていて、実用的な運用能力やコミュニケーション能力を問われます。
また、中国政府公認の資格ということで、留学や赴任のときにも有効です。
中国語検定が日本国内限定なのを考えると、将来的な用途の広さはHSKに軍配が上がるかもしれません。
中国語検定とHSKにはそれぞれのメリットがありますので、自分に合ったものを選びましょう。
以下の記事も参考にしてみてください。
関連記事:中国語検定とHSKを比較!特徴、レベル、おすすめ度を紹介します
どのレベルを目指せばいいのか
それでは、中国語検定やHSKを目指すときは、どのレベルを目指せばいいのでしょうか?
中国語を勉強する目的によっても変わってきますが、「日常会話ができるようになりたい」が目的だったとすると、目標としては、
・中国語検定3級、HSK4級
を目指すといいでしょう。
目的が「仕事で中国語を使っていきたい」だったら、
・中国語検定2級、HSK5級
くらいのレベルは必要になってきます。
もちろん、最初から高級レベルを目指すのではなく、最終的な目標となる級よりも易しいレベルの級から順番に挑戦していっても大丈夫です。
と言うか、ほとんどの場合はこうなると思います。
「仕事で中国語を使っていきたい」という目的がある場合は中国語検定2級、HSK5級のレベルは欲しいところですが、このレベルに到達するまではそれなりの労力と時間がかかります。
そのため、まずは中国語検定4級や3級、HSKだったら4級を目標にして勉強し、力をつけていく。
そして、中検3級やHSK4級を取れたら、本命である中国語検定2級、HSK5級を目指して勉強を続けていく。
こんな感じがおすすめです。
そうなると考えるべきは「何級から受け始めるべきか?」ということですよね。
どのレベルから受け始めるべきか?
中国語検定やHSKを利用して中国語を習得するとなると、どのレベルから受け初めればいいのかも気になるところですよね。
私は、中国語検定は4級から、HSKは3級から受け始めるといいんじゃないかと思います。
中国語検定準4級とHSK1級・2級は中国語を勉強したことがある人ならそこまで苦労しなくても取れると思うからです。
難易度がそこまで高くないので、資格としてのパワーもちょっと足りない感じがします。
ただ、難易度が高くないことを利用して、語学の勉強に対してコンプレックスを抱えている方は中国語検定準4級やHSK1級・2級を受けてみるといいかもしれません。
合格することで自信に繋がると思いますし、これを弾みにして、もっと高いレベルにチャレンジしていけるといいですね。
関連記事:中国語検定やHSKは何級から受けるべき?
中国語を習得するには検定試験を利用するといいよ、という話をしましたが、もちろん注意点もあります。
注意点:検定試験に特化しすぎると受験英語みたいになる
検定試験の勉強だけしかやらないのも問題で、受験英語のように「問題を解けるけど話せない、書けない」ということになってしまいがちです。
「問題を解けるけど話せない」という事態を避けるために、4つのスキルをバランスよく強化していきましょう。
4つのスキルとは、
(1) リスニング (2) スピーキング (3) リーディング (4) ライティング |
のことを指しています。
リスニングとリーディングは検定試験の勉強を通して強化することができます。
中国語検定とHSKは、どちらもリスニングとリーディング(読解)のパートが含まれているからです。
ライティングは資格試験の種類や級によっても変わってきます。
中国語検定は全ての級にライティングの問題がありますが、HSKは3級以上になるとライティングのパートがあります。
スピーキングは無理ですね。
中国語を話す機会を意識的に作らないと、スピーキングはなかなか強化できません。
解決策としては、スピーキングを強化できるような勉強法を取り入れましょう。
スピーキングは勉強法を工夫することで強化
スピーキングを強化することができる勉強法をご紹介します。
・暗唱:中国語の文章を暗記し、何も見ないで最初から最後まで発声する ・シャドーイング:聞こえた中国語を聞こえたままに後に続いて発声する |
独学でもできて、スピーキングの強化に効果的な勉強法を挙げてみました。
スピーキングの練習は、意識的に取り入れていかないとどうしても少なくなってしまいがちだと思います。
実用的な中国語を習得するなら、上記の勉強法を取り入れつつ、中国語検定やHSKを目指して勉強を積み重ねていくといいでしょう。
今回の記事はここまでです。
最後までご覧いただきありがとうございました!
中国語の検定試験の日程は以下の記事にまとめているので、スケジュールを組むときは参考にしてみてください。
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