HSK6級では、400字の作文問題が出題されます。
多くの中国語上級者にとって、作文問題はHSK6級取得の大きな壁になっています。
「HSK6級の作文問題、自分にとっては難易度が高すぎる」
「HSK6級の作文の書き方が分からない」
「どうやって対策すればいいのか分からない」
とお悩みではありませんか?
HSK6級の作文のパートは、3つのポイントを押さえれば作文が書けるようになります。
それは、「問題文を2回読む」、「要約に必要な情報6つを覚える」、「簡潔な文で要約する」です。
私が初めてHSK6級に挑戦したときも、作文が書けず不合格になりました。
作文が書けなかった理由は、書き方を知らなかったからだと思っています。
一度作文の書き方のコツを掴んでしまえば、自然と作文が書けるようになってきます。
HSK6級の作文の書き方とコツ【3つある】
HSK6級の作文を書くコツは、下記の3つです。
- 問題文を2回読む
- 要約に必要な情報6つを抜き出す
- 簡単な文で要約する
問題文を2回読む
問題文は2回読みましょう。
その理由は、問題文の全体的な内容を覚えやすくするためです。
問題文の内容を深く理解し、要約しやすくすることにも繋がります。
また、1回しか読まないと、読み終わったころには前半の内容をほとんど忘れています。
問題文前半は登場人物など、大事な情報が集中していることが多いです。
前半の内容を忘れると、要約の出だしから躓くことになります。
大事な情報を見落としたり忘れたりしないために、問題文を2回読みましょう。
問題文を読むときは、下記のことを意識してみてください。
- 1回目は速読で内容把握
- 2回目はしっかり読みつつ、脳内で要約
限られた時間のなかでも2回読めるよう、しっかり練習しておきましょう。
要約に必要な情報のみを抜き出す
要約に必要な情報を抜粋して覚えることを意識しましょう。
必要な情報は6つありますが、特に登場人物に関する情報が大事です。
要約に必要な情報【6つある】
問題文を読むときは、要約に必要な情報を覚えることを最優先しましょう。
要約に必要な情報とは、下記の6つです。
- 登場人物の人数と属性(登場人物は何人いるか、属性は何か、登場人物同士はどんな関係か)
- 時系列(昨年、今年、先月、今月、先週、今週、昨日、今日、○○日前など)
- 行動(誰が何をしたか、何が起こったか)
- 経過(行動がどのように発展していったか)
- 結果(結果はどうなったか)
- オチ(問題文の結びはどんなオチで締められているか)
人物の情報は特に大事
特に、登場人物の人数と属性に関する情報は必須です。
問題文は、一人或いは数人の登場人物が話の中心になっていることが多いです。
そのため、要約するときは基本的に、登場人物を省かないようにします。
問題文に3人の人物が登場したら、要約するときも3人全員登場させるのがベストです。
それぞれの登場人物の属性や行動を簡潔にまとめることが、作文のコツです。
そのため、登場人物の人数・それぞれの属性・行動・結果をしっかり記憶するようにしましょう。
要約文を書くときは、登場人物を中心に文章を組み立てると書きやすいです。
要約文はシンプル・イズ・ベスト
要約文を書くときは、無理にたくさん書こうとしないことが大事です。
先述の情報6つに要点を絞って、簡潔な文章を書くようにしましょう。
そのほうが、読みやすくまとまった文章を書きやすいと思います。
まずは、3語(SVO)の簡単な文を書くことが基本となります。
そうしたら、3語の文をいくつか組み合わせて複文を作ります。
文章とは、上記の3語の文と複文の組み合わせにすぎません。。
つまり、3語の文と複文が書ければ、それらをたくさん繋げて400字の文章を書くこともできます。
要約文全体の構造は下記の通りです。
(誰が、いつ、どこで、何をしたか)(誰が、いつ、どこで、何をしたか)……(結果はどうなったか)
(誰が、いつ、どこで、何をしたか)(誰が、いつ、どこで、何をしたか)……(結果はどうなったか)
……
(最後のオチ)
先述の通り、それぞれの登場人物を中心に、属性・問題文中でとった行動・その行動の過程と結果をまとめていくとうまく要約できます。
ここまでで紹介した3つのコツを掴めれば、HSK6級の作文が書きやすくなります。
ただ、これらのコツを実行するには中国語の知識と鍛錬が必要です。
ここからは、HSK6級の作文において有用な知識のつけ方と、作文の練習法をご紹介します。
HSK6級の作文対策
本番前にやっておくといい、HSK6級の作文対策は下記の4つです。
- 文法知識を万全にしておく
- 接続詞と介詞を覚えて、使えるようにしておく
- 作文のパートの過去問を本番形式で解く
- リスニングと読解でそれぞれ6割以上とれるようにする
文法知識を万全にする
文法知識は万全にしておきましょう。
中国語の作文においては、単語の順番が意味に直結します。
単語の順番はとても大事な要素であり、単語の順番を定義するのが文法です。
文法に自信がないままだと、意味が通じない文を書いてしまいかねません。
幸い、中国語の文法に時制や動詞の活用はありません。
語順や、その他の細かいルール(様態補語など)をしっかり覚えておきましょう。
中国語の文法については、以下の記事で詳しく紹介しています。
接続詞と介詞を使えるようにする
接続詞と介詞(前置詞)をできるだけ使えるようにしておきましょう。
接続詞と介詞は、時系列・動作が行われる場所・因果関係などを表すときに必要となります。
接続詞と介詞を使うと、複文を作れるようになります。
接続詞と介詞は、まとめて「虚詞」という概念に分類されます。
中国語の虚詞については、以下の記事でご紹介しています。
接続詞と介詞を効率的に覚えるなら、品詞別の単語帳を使うのもおすすめです。
»参考:HSK6級対策におすすめの過去問・問題集・参考書まとめ
過去問を解いてみる
本番と同じ形式で、作文のパートの過去問を解いてみましょう。
そこで「400字も書けない」となったら、模範解答を書き取るのがおすすめです。
本番と同じ形式でやってみる
作文のパートの過去問を、本番と同じ形式でやってみましょう。
試験本番で焦らないよう、作文のパートを何度か練習しておくわけです。
ぶっつけ本番だと、問題文が頭に入らなかったり、頭が真っ白になって何も書けなかったりします。
HSK6級の過去問を用意して、作文問題を解いてみましょう。
できれば、本番と全く同じ形式で問題を解いてみるといいです。
過去問を解くときは、制限時間も定めます。
HSK6級の作文のパートは、問題文の黙読が10分間、作文が35分間と決まっています。
自分で時間を計りながら問題を解くことで、本番を想定したリアルな練習を積みましょう。
過去問の模範解答を書き取る
過去問で400字も書けない場合は、模範解答を書き取るのがおすすめです。
その理由は、要約文の模範的な構造を掴むことができるからです。
「1000字の問題文を400字に要約したらどうなるか」のお手本を知ることができるわけです。
まずは、過去問の作文のパートを一度解いてみてください。
320字(400字の8割)以上書くのが難しそうなら、模範解答を書き取ってみましょう。
模範解答を書き取るときは、要約文の内容を意識しながら書き取ります。
機械的な作業にならないよう、注意が必要です。
過去問は公式過去問集がおすすめです。
実際の試験問題を使って練習できるので、実践的なスキルを鍛えられます。
リスニングと読解それぞれ6割以上とれるようにする
リスニングと読解、つまり作文以外のパートでそれぞれ6割以上とれるようにしておきましょう。
作文のパートの難易度は回によって差があるほか、採点基準も公開されていません。
リスニングや読解と比べて、作文は安定して高得点をとれない可能性が高くなっています。
リスニングと読解のほうが安定して高得点を狙いやすい、というのが実際のところだと思います。
HSK6級の基準は、リスニング・読解・作文の合計が全体の6割(180点)以上であることです。
作文で多少コケても、リスニングと読解でカバーできるようにしておきましょう。
心に余裕を持って、作文に臨めるようになるはずです。
HSK6級の読解のコツと勉強法は以下の記事でご紹介しています。
今回の記事は以上となります。
HSK6級の作文が難しいと感じているなら、今回紹介した下記のポイント
- 問題文は必ず2回読む
- 必要な情報6つを抜粋して覚える
- 簡単な文で要約する
これらを意識してみてください。
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