今回は「中国語の難易度」について、私の個人的な考えをまとめました。
「中国語が難しくなかったら勉強してみてもいいかなと思ってる」
「中国語に興味があるから、事前に難易度を知っておきたい」
「中国語を勉強していて難しく感じるけど、実際のところはどうなのか知りたい」
という方に向けて書いています。
記事の後半には、中国語をできるだけ簡単に習得できるような勉強法もご紹介しています。
中国語の難易度は「自分次第」
中国語は簡単?それとも難しい?
中国語をこれから勉強したい人にとっては気になる話題ですよね。
中国語を勉強していて「中国語は難しい」と思っている人も、実際のところはどうなのか気になるかもしれません。
中国語は簡単なのか難しいのか、私の答えは「どちらでもない」です。
つまり「自分(中国語を勉強するあなた)次第」です。
中国語の難易度は一概には言えない
中国語の難易度は一概には言えません。
中国語そのものには「難易度」という値自体がないからです。
中国語には簡単も難しいもありません。
もしAさんが「中国語は難しい」と言っていたら、それは「Aさんにとって中国語は難しい」ということです。
中国語そのものが難しいというわけではありません。
まだ中国語を勉強したことがない人は、中国語が難しいかどうかを判断することはできません。
言語の難易度は客観的に測定できない
言語の難易度を客観的に測定することはできません。中国語に限ったことではなく、他の外国語も同様です。
英語ができる人はできない人に比べて「スペイン語は簡単だ」と感じるでしょう。
しかし、スペイン語そのものが簡単だということではなく、「英語ができる人にとってスペイン語は比較的簡単」だということです。
スペイン語と英語は共通点があり、スペイン語を勉強するときに英語の知識を活かせるからです。
このように、言語には難易度の差というものはありません。
外国語の難易度は相対的なものであり、「あなたにとって簡単か難しいか」、「他の言語と比較して学びやすいかどうか」ということになります。
中国語の難易度に影響する要素
あなたが中国語を簡単だと感じるか難しいと感じるかは、あなたの状況によって異なります。
先述の通り、中国語の難易度を客観的に測定することはできないからです。
もし誰かが「中国語は簡単」だと思ったとしたら、それは中国語そのものが簡単なわけではなく、中国語を勉強するのに適した要因がその人に備わっていただけだということになります。
逆もまた然りです。
中国語を簡単だと感じるか難しいと感じるかは、自分の状況に影響されるわけですが、体感的な難易度に大きく影響するのは下記の4つです。
- 母語
- 第二外国語
- 勉強法
- 環境
これから詳しく見ていきましょう。
1.母語
外国語の難易度は、その外国語を勉強する人の母語によって異なります
自分の母語と勉強したい外国語の親和性の有無によって、その外国語の難易度も影響を受けます。
母語と外国語の関係は下記の通りです。
- 自分の母語と親和性がある(共通点がある)外国語は勉強しやすい
- 自分の母語と外国語の共通点が少なければ少ないほど、その外国語の体感的な難易度は高くなる
例として、スペイン語と中国語の難易度を比較してみましょう。
スペイン語と中国語、難しいのはどっちでしょうか?
「日本人にとってスペイン語と中国語のどちらが難しいか」を考えるときは、「日本語との共通点が多いのはスペイン語と中国語のどちらか」というのがひとつの目安になります。
日本語との共通点が多いのは中国語なので、日本人にとっては、スペイン語よりも中国語の方が比較的勉強しやすいと言えます。
中国語も日本語と同じく漢字を用いており、日本語との共通点があるからです。
2.第二外国語
外国語の難易度は、他にどんな外国語を勉強したことがあるかによっても異なります。
既に勉強したことがある外国語Aと、これから勉強する外国語Bの間に親和性があれば、それだけ外国語Bが学びやすくなります。
例えば、前項で「スペイン語と中国語の難易度を比較すると、日本語との共通点が多いのは中国語の方なので、日本人にとってはスペイン語よりも中国語の方が勉強しやすい」という話をしました。
しかし、英語が堪能な日本人にとっては、中国語よりもスペイン語の方が簡単だと感じるかもしれません。
英語とスペイン語には共通点が多いからです。
また、英語に堪能な方は、英語ができない方に比べて中国語も勉強しやすいかもしれません。
中国語の文法の語順は「主語+述語+目的語」の順番であり、英語のそれと似ているからです。
3.勉強法
「どうやって勉強するか」という勉強法も、外国語の難易度を左右します。
効率的かつ効果的で、理に適った勉強法で中国語を勉強できていれば、それだけ中国語は簡単に身に付くでしょう。
反対に、非効率的で非科学的な勉強法で中国語を勉強していたら、効率的な勉強法で勉強している場合と比べて進歩が遅くなり、結果として「中国語って難しい」と感じるかもしれません。
4.環境
周りの環境も、外国語の体感的な難易度に影響します。
例えば、中国に住んでいたり、周りに中国人がいたりして中国語に馴染みがあれば、中国語が簡単に感じるかもしれません。
注意点としては、中国に住んでいるからといって簡単に中国語が身に付くというわけではないということです。
日本在住の学習者に比べて「中国語は簡単」だと感じられやすいかもしれないということです。
ここまで、中国語の難易度に関係のある要素を4つご紹介してきました
しかし、これらの要素の差による難易度の差は相対的なものでしかありません
全て満たしているからといって中国語が簡単に身に付くわけではなく、いずれにしても継続的な学習は必須です
漢字に馴染みがあるのは大きい
中国語の難易度に影響する要素を考えてみると、多くの日本人に共通しているのは「日本語を母語としている」ということでしょうか。
日本語を母語としている日本人は漢字に馴染みがあります。
日本語と中国語は「漢字を使う」という点で親和性があり、中国語は比較的学びやすい言語だと言えます。
注意点は、中国語は比較的学びやすいものの、簡単に身に付くという意味ではないということです。
中国語が学びやすいというのは下記のような意味です。
- 中国語も日本語と同じように漢字を使うので、英語などよりは文字に馴染みがある
- 日本人にとって中国語は他の外国語よりは学びやすい
- 日本語以外の言語を母語としている人(欧米諸国やアフリカなど)よりは、日本人にとっての方が中国語学習の難易度は低め
繰り返しになってしまいますが、中国語を身に付けるには継続的な学習が欠かせません。
私が中国語を勉強してきて感じたこと
中国語が難しいかどうかは自分次第ですが、参考までに私がどう感じたかをご紹介します。
私が中国語を始めたときの状況
前項で、中国語を簡単だと感じるか難しく感じるかは個々の状況によって異なるという話をしました。
中国語の難易度は学習者個人の状況に依存しているので、まずは私が中国語を始めたときの状況を簡単にご紹介します。
純日本人/田舎の大学3年生/英語は小学校高学年から大学2年生までやっていた/英語はできない(英語の成績は下の下)/その他の外国語もできない/大学に中国からの留学生が多かったので、周りに中国人がいた/インドア系/ゲーマー/音楽好き
こんなところです。
こんな私が中国語を勉強してから感じた、中国語の難しいところと簡単なところをご紹介します。
難しい:発音・聞く・話す
中国語を勉強していて難しいと思ったのは、「発音」、「リスニング」、「スピーキング」です。
この3つに共通しているのは「音(発音)」に関係しているということです。
「発音する」のと「中国語を聞き取る」のが比較的難しかったです。
中国語も日本語と同じく漢字を使うので日本人にとっては学びやすいという話をしましたが、漢字を知っているというアドバンテージがリスニングやスピーキングには通用しないので、その分難しく感じました。
中国語の発音は日本語にはない発音が多いというのも一因だと思います。
簡単:文法・読む・書く
「文法」、「リーディング」、「ライティング」は、発音やリスニング、スピーキングと比べると比較的簡単に感じました。
中国語の文法は英語などと比べると単純ですし、読み書きは「漢字が分かる」という日本人のアドバンテージを活かすことができます。
中国語の文法に関しては、動詞の活用や形態変化、時制がなく、単語の並び方を定義しているだけです。
よって、中国語の文法は語順さえ覚えれば大丈夫です。
英語は動詞の活用や時制のところで苦戦した思い出があったので、英語と比べると、中国語の文法は英語より遥かに単純だと思いました。
文法と漢字が分かればリーディングもある程度はできます。
しかし、黙読とは違って音読するのはちょっと難しいと思いました。中国語の発音が難しかったからです。
ライティングは簡単というわけでもありませんでしたが、スピーキングよりはずっと容易くできるようになったと思います。
難しくもあり簡単でもある:単語
単語は簡単な点と難しい点が混在しているように感じました。
中国語の単語一つひとつは、英単語などと比べれば覚えやすいと思います。
日本人は漢字に馴染みがあるというアドバンテージがあるからです。
ただし、中国語の単語は漢字を知っているだけじゃ発音まではできませんし、その単語を聞き取ることもできません。
中国語の単語を覚えるときは漢字だけじゃなく発音も暗記しないといけません。
この点は難しいと思いました。
日本人にとっては漢字を覚えるのが楽なので、単語の漢字だけは覚えたけど、発音は覚えてないということになりがちです。
ここまで、中国語の難易度は一概には言えないこと、そして参考までに私が中国語を勉強してきて感じたことをご紹介してきました。
「中国語そのものに簡単も難しいもない」ということがお分かりいただけたでしょうか?
しかし「中国語を勉強するかどうか迷ってて、難しくなかったら勉強しようかな」とお考えの方もいると思います。
「中国語が難しくないんだったらやってみよう」という方はどうすればいいのでしょうか?
「難しくなかったら勉強しようかな」という方へ
「中国語が難しくないんだったら勉強してみよう」というのもいいと思います。
ただし、中国語に客観的な難易度がないので、未経験者が「簡単そうだからやってみよう」とか「難しそうだからやめとこう」と判断するのは難しいと思います。
あなたにとって中国語が難しいのかどうかを判断するおすすめの方法は、自分で実際に中国語を勉強してみることです。
次項で効果的な勉強法をいくつかご紹介します。
中国語に興味があれば試してみてください。
できるだけ簡単な勉強法
この記事の「中国語の難易度に影響する要素」の項で、中国語の難易度は下記の要素によって左右されるという話をしました。
- 母語
- 第二外国語
- 中国語の勉強法
- 周りの環境
上記の4つの要素の中で、最も意識的にコントロールしやすいのは「勉強法」です。
よって、中国語の難易度をできるだけ下げるために、勉強法を工夫してみましょう。
これから中国語を始める方、初級の方
これから中国語を始める方や始めたばかりの方は、中国語の全体像を知っておくことをおすすめします。
中国語の全体像というのは、中国語を構成する要素「発音・文法・単語」を網羅するということです。
「発音・文法・単語」のうち、「単語」は数が多すぎるので最初から網羅するのは無理ですが、「発音・文法」は短期間で網羅することができます。
「中国語の全体像を知る」というのは「発音と文法を網羅する」ことだとお考えいただくといいかと思います。
発音と文法を最優先させる理由は2つあります。
1.中国語を習得しやすくなる
最初に中国語の全体像を掴んでおくと、中国語を習得しやすくなります。
プレゼンテーションなどで、最初に結論が示されてから細かい説明に移った方が分かりやすいのと同じです。
発音と文法を広く浅く、網羅的に知っておけば、中級以上になったときに出てくる細かい文法ルールも覚えやすくなります。
2.次々に新しいことを覚えなければいけない負担が減る
時間をかけて一つの文法を覚えても、更に新しい文法事項が次々と出てきたら、その全てを覚えるのは難しいです。
最初は一つひとつの文法事項を完璧に理解しようとせず、その分文法事項を広く浅く知っておくことに力を使いましょう。
まずは中国語の全体像を掴んでしまうのがおすすめです。
発音を勉強している方
発音を勉強するときに大事なのは下記のサイクルです。
頭で理解 → 練習 → 反省 → 改善
これ以外に発音をマスターするための近道はないと思います。
苦手な発音があったら、その発音の仕方を頭で理解しましょう。
発音するときの口の開け方、舌の位置、息の出し方などを知っておくことが第一歩です。
発音の仕方を頭で理解したら実際に発音してみて、自分の発音をスマホなどに録音しておいて、自分の発音を自分で聞いてみてください。これが練習と反省のステップです。
自分の発音に違和感があったら、自分の発音のどこがおかしかったのかを考えて改善しましょう。
このサイクルを繰り返すことが、中国語のネイティブに近い発音を身に付けるための近道だと思います。
文法が難しいと思っている方
中国語の文法を理解するには、中国語の語順をしっかり覚えるようにしましょう。
中国語の文法は「単語の並び方」を定義しているだけで、動詞や形容詞の活用や時制などはありません。
中国語の語順をまとめると、下記のようになります。
接続詞+主語[限定語+中心語]+述語[状態語+中心語+補語/アスペクト助詞]+目的語[限定語+中心語]+語気助詞
見慣れない専門用語もありますが、上記の順番を覚えられれば文法は大分整理できます。
中国語の文法は以下の記事で詳しく紹介しています。
単語が覚えられないという方
単語は少しずつ着実に覚えていくしかないと思います。
中国語に限らず、どんな外国語にも無数の単語があり、それらの単語を一気に覚えるのは骨の折れる作業です。
まずは自分が覚えやすいと思う単語から覚えていけばいいでしょう。
具体的には下記の条件を満たすような単語です。
自分にとって身近な単語
使えると思った単語
自分の仕事や生活に関わりのある単語
大事だと思った単語
単語を覚えるためのノウハウは以下の記事で紹介しています。
話せない、聞き取れないという方
中国語を自由に話せたり、聞き取れるようになるためには、
発音と文法を網羅的に知っている
その話題において会話するのに必要な単語を知っている
頭の中で中国語を処理することができる
といったいろいろな要素が必要になってきます。
私のおすすめは「中国語を話したり聞いたりする機会を増やす」ことです。
話す、聞くといったスキルを育てるためには、場数を踏んで「慣れる」ことが大事だからです。
中国語を話せるようになるためには、とにかく中国語を話しましょう。
テイク&エラーで大丈夫です。
中国語を聞き取れるようになりたかったら、実際に中国語を聞くことです。
中国人と話すのが理想的ですが、独学だったら「シャドーイング」や「暗唱」、「音読」も効果的です。
今回の記事は以上となります。
中国語の習得に関して言えることは、中国語をマスターするにはそれなりの労力と時間が必要だということです。
中国語が万人にとって簡単だったとしたらみんな中国語を勉強するでしょうし、そうなると中国語ができることのアドバンテージも弱まります。
中国語を習得するのはそれなりに大変なことで、努力が必要だからこそ価値のあるものだと思います。
頑張りましょう!
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