HSK3級のレベルと勉強時間は?勉強法と教材もまとめて紹介

上海の外灘の夜景 HSK

今回は、HSK3級についての記事です。

 

「HSK3級のレベルや難易度を知りたい」

「HSK3級の勉強時間を知りたい」

「どんな勉強をすれば合格できるのか知りたい」

こんなお悩みはありませんか?

 

この記事では、HSK3級のレベルと、目安となる勉強時間をご紹介します。

更に、HSK3級のおすすめの勉強法もお伝えします。

 

私は中国語を始めて4ヶ月目、2012年9月にHSK3級を取得し、スコアは298点でした。

実際に私が受験した経験も踏まえて、HSK3級のレベルと勉強法をご紹介します。

 

HSK3級の内容【レベルと勉強時間】

上海の高層ビル群の画像

HSK3級のレベルは、中国語の基礎段階の終了です。

 

HSK3級のレベルの目安

HSK日本実施委員会によると、HSK3級の概要は下記の通りです。

 

HSK3級は、受験生の日常中国語の応用能力を判定するテストです。

「中国語を使って、生活、学習、仕事等における基本的なコミュニケーションができる。中国旅行の時も大多数の場合において中国語で対応することができる」ことが求められます。

引用:HSK日本実施委員会

 

基本的なコミュニケーションができることの証明とされています。

 

これを見るとレベルが高そうに見えますが、実際はそんなに話せなくても大丈夫です。

実際、私がHSK3級を取得したときも、片言の中国語しか話せないレベルでした。

 

3級に限らず、日本人はHSKの難易度を実際よりも低く感じることが多いです。

つまり、上記の目安となるレベルに達していなくてもHSK3級に合格することはできます。

日本人は漢字を理解できるため、話せなくても試験では何となく正解できてしまうことが多いからです。

 

単語数の目安と文法

HSK3級の目安となる単語数は600語です。

名詞、動詞、形容詞を中心に、日常的によく使われる常用単語の知識を問われます。

 

また、HSK3級の範囲にはほぼ全ての基礎文法が含まれています。

介詞や接続詞、補語などの文法もしっかりと押さえておく必要があります。

 

目安となる中国語力

HSK3級の目安となる中国語スキルは下記の通りです。

 

  • 出会いや別れの挨拶
  • 簡単な自己紹介(氏名、年齢、住所、家庭、趣味、特技、性別、愛称、外見、性格等)
  • 感謝、謝罪、歓迎、お祝い等の気持ちを伝える表現
  • 数量や順番の言い方
  • 時間の言い方(○分、○時間、○日間、曜日、日付、月、年、現在、過去、未来等)
  • 状況の簡単な描写(天気、方位、大きさ、数量、正誤、心情、色、季節等)
  • 簡単な問いかけと解答(買い物、交通、通院、運動、レジャー等)
  • 簡単な要求やお願い
  • 感情や意見を簡単に伝える
  • 他者の意見を聞く
  • アドバイスする
  • 比較する、選ぶ
  • 因果関係を説明する
  • 強調、感嘆を表す
  • 程度や頻度を表す
  • 指摘、忠告、慰め、励まし等の表現
  • ロジックを説明する

※「HSK3級考試大綱」より翻訳

 

上記の通り、日常的な幅広い場面における中国語力を求められます。

ただ、HSK3級に関して言えば、上記の内容を流暢に会話できる必要はありません。

リスニングと読解さえできれば大丈夫です。

 

HSK3級とHSK2級との違い

全体的にHSK2級に近い印象で、HSK2級を取得されている方ならしっかり勉強すれば問題ないかと思います。

ただ、HSK2級とは違うところもあります。

 

  • 頻出単語数は2倍
  • ほぼ全ての基礎文法が出題範囲となり、介詞・接続詞・補語なども必要になる
  • 問題用紙にピンインが併記されなくなる
  • 作文問題が出題される

 

単語数と基礎文法の範囲が広がるのは先述の通りです。

 

問題用紙にピンインが併記されなくなることはそこまで問題にならないと思います。

どっちみち漢字を読んだほうが日本人にとっては分かりやすいです。

 

一方、作文問題はしっかり対策しておくと良いと思います。

 

HSK3級の作文問題

HSK3級の作文の問題内容は下記の通りです。

 

引用:HSK日本実施委員会

 

第2部分の空所補充問題は漢字1文字を書くだけなので、単語さえ覚えていれば比較的簡単に解答できます。

 

問題は第1部分の並べ替え問題です。

語彙力だけでなく基礎文法の知識が問われます。

並べ替えのコツも知っておくといいですね。

 

実際に受験して感じた難易度

HSK3級は4級と2級の間ですが、私が受験して感じた難易度としては、HSK4級よりも2級に近い感じがしました。

HSK2級と比較してそこまで難しくなった感じはしません。

 

中国語検定で言えば、準4級と4級の中間ぐらいだと思います。

 

HSK3級の勉強時間の目安

HSK3級の勉強時間の目安は「第二外国語における第二年度前期」とされています。

時間に直すと約135時間くらいです(週2回の90分授業を15週間×3学期)。

 

毎日2時間勉強するとしたら70日弱で135時間に到達します。

70日弱でHSK3級レベルの常用単語と基礎文法を覚えて、過去問などで試験対策する期間も含めると、HSK3級の勉強時間は3ヶ月ぐらいになりそうです。

 

私は1日平均2時間勉強を4ヶ月間続けました。

ただ、私の場合はHSK4級と同時受験だったので、HSK3級だけならもっと早くできたかもしれません。

HSK3級の勉強時間の目安としては135時間、1日2時間勉強で約3ヶ月という認識で良いと思います。

 

もちろん個人差はあるので、過信は禁物です。

毎日30分でも1時間でも勉強して、知識を積み重ねていくことが大事です。

 

HSK3級は履歴書に書けるか?

HSK3級はもちろん履歴書に書くことができます。

中国語の基礎知識を身に付けていることの証明になります。

 

ただ、HSK3級はあくまでも基礎段階のレベルなので、仕事で中国語を使うには物足りないのも事実です。

仕事で本格的に中国語を使っていきたいなら、できればHSK6級、最低でも5級は欲しいところです。

 

»関連:中国語検定やHSKは何級から受けるべき?

 

HSK3級のレベルを把握できたら、次に考えるのは「どうすればHSK3級のレベルまで行けるのか」即ち勉強法だと思います。

ここからは参考までに、HSK3級の勉強法をご紹介していきます。

 

HSK3級の勉強法

上海の夕日

勉強法を知ると、HSK3級のレベルをより具体的にイメージすることができます。

HSK3級の勉強法をご紹介していきますが、全て書くと長くなってしまうので、ここでは簡単な参考程度にしたいと思います。

 

詳しい勉強法は別の記事HSK3級対策!おすすめ勉強法を詳しく紹介で解説しています。

 

1.HSK3級の過去問を活用する

一番のおすすめは、HSK3級の過去問を解くことです。

HSK3級の過去問を解くのがおすすめな理由は、マラソンの試合前に本番と同じコースを走ったほうがいいのと同じ理屈です。

 

試験には試験の解き方があり、ぶっつけ本番だと難しく感じるかもしれません。

時間配分も重要で、読解問題の最後で時間が足りなくなってしまうことはよくあります。

 

事前にHSK3級の過去問を何度か解いておくことで、HSK3級に自然と慣れることができます。

ペース配分も分かってくるはずです。

 

2.基礎文法を覚える

基礎文法をしっかり整理しておきましょう。

HSK3級は、ほぼ全ての基礎文法の知識を求められます。

読解や並べ替えなどもあるため、基礎文法ができていないと合格は厳しくなります。

基礎文法さえできていれば、知らない単語が多少あっても大丈夫です。

 

教材は、参考書を最初から最後まで見直すか、中国語学習アプリを使うことで基礎文法の復習ができます。

 

個人的におすすめなのはアプリを使うことです。

HelloChinese」や「Lingodeer」のようなアプリであれば、問題を解きながら文法の基礎を総復習することができます。

 

3.常用単語を覚える

基礎文法に加えて、基本的な単語や常用表現も固めておけると尚良しです。

リスニングは鍵となる単語を聞き取れたかどうかで正解できるかどうかが決まることが多いです。

問題文で一番重要な単語が聞き取れなければ、文法的には問題なくても正解は一気に難しくなります。

また、読解の第二部分の穴埋め問題や、作文問題の空所補充は完全に単語力の勝負です。

これらは単語を知っているだけで一気に楽になってきます。

 

HSK3級の語彙力目安は常用単語600語ということなので、その気になれば全て覚えることもできます。

 

単語を覚える方法は、大きく下記の2通りの方法があります。

 

  • HSK3級の過去問・模擬問題に出てきた知らない単語を調べる
  • アプリか市販の単語帳を使う

 

HSK3級の過去問・模擬問題に出てきた知らない単語を調べる

HSK3級の過去問や模擬問題に出てきた知らない単語を調べて、メモに書いて残しておきましょう。

知らない単語は調べて書いておかないと、いつまでもなかなか覚えられません。

知らなかった単語を自分で調べて紙に書いておけば、そのプロセスによって単語が印象に残ります。

 

過去問や模擬問題の本に直接書き込みしてもいいですが、過去問などのテキストは繰り返し使うもの。

適当なノートやメモを用意し、そこに知らない単語を書き込んでいくのがベストだと思います。

 

アプリが市販の単語帳を使う

常用単語の学習はアプリを使うか、単語帳を使うのもおすすめです。

アプリは先ほどご紹介した「HelloChinese」か「LingoDeer」あたりがおすすめです。

単語専用アプリを使ってもいいのですが、上記のアプリは文法やリスニング、並べ替えも練習できるので一石四鳥です。

 

市販の単語帳を使ってもいいですね。

単語帳を有効活用するためのポイントは、“質よりスピード重視で”、“同じ単語帳を何周も繰り返す”ということです。

 

例えば、「20日間で単語600語を覚える」場合を考えてみましょう。

 

【質重視】単語1個あたり2分で覚える → 1日60分で30語覚える → 20日間で60語覚えられる → 前半(1~10日目)に覚えた単語を忘れていて、復習する時間もない

【スピード重視】単語1個あたり1分で覚える → 1日60分で60語覚える → 10日間で600語勉強できる → 前半の単語を忘れている → 残りの10日間で同じ単語帳を最初からもう一周できる(復習できる)

 

上記の通りで、効果的なのは後者です。

同じ単語帳を何周もすることを意識しましょう。

 

»参考:中国語の単語の覚え方と役立つツールを紹介

 

HSK3級の勉強に役立つ参考書

上海の外灘を上空から写した画像

HSK3級の参考書をいくつかご紹介します。

本当はもっと様々な参考書があるのですが数が多いので、ここで全て紹介はしないことにします。

ここでは、私が実際に使った参考書をご紹介します。

 

HSK公式過去問集 3級

HSK公式過去問集シリーズの3級です。

実際の試験で出題されたHSK3級問題5回分が収録されています。

また、全ての問題に日本語の解説が付いています。

 

日本語で書かれた唯一の公式過去問集で、HSK3級を受けるなら何よりも優先的にやりたい問題集です。

 

Why?にこたえる はじめての中国語の文法書

中国語の基礎文法を網羅的に、かつ分かりやすく解説しています。

解説が細やかで、痒いところに手が届くような文法書です。

 

中国語の文法書の中では、一番使いやすい1冊だと思います。

 

HSKも中検もこの一冊!単語マスターパーフェクトガイド

HSK1級~3級の単語を網羅した単語帳です。

単語は級別にまとまっていて、各級の単語が品詞ごとに配列されています。

 

最大の特徴は、例文が練習問題を兼ねていることです。

穴埋めなどの簡単な問題を解くことで例文が完成するようになっていて、自然と頭を使って印象に残す仕組みになっています。

他に類を見ない単語帳ではあるものの、単語の覚えやすさは確かだと思います。

 

私は上記3冊の参考書を使いましたが、HSK3級の参考書は他にもあります。

どの参考書が良いのかは、個人個人のレベルや苦手なところによって変わってきます。

他のHSK3級の参考書と、失敗しない参考書の選び方はHSK3級の参考書【過去問・テキスト・単語教材・アプリ】一挙紹介の記事で網羅的に紹介しています。

 

今回の記事は以上となります。

HSK3級取得に向けて、頑張っていきましょう!

コメント

  1. […] 参考:HSK3級のレベルと勉強時間は?勉強法と教材もまとめて紹介 […]

  2. 鈴木 より:

    沢山の記事を拝見してみて、半年で履歴書H SK4級を目指して勉強しようもおもっていますが、まずは中国語検定4級の勉強をし、H SK3級、4級と勉強を進めようとおもいました。
    CD3枚付きを購入しましたが、まだてもとにありません。一年遅れで入会されたかたによると初心者には難しいので、別のテキストを買ったそうです。
    ゼロから始まめる中国語の会話編ではなく、文法、キクタン、why でインプットして、中国語検定トレーニングブックと過去問を買って勉強すれば、いいでしょうか?アドバイスよろしくお願いします。

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